ーcoyolyー

女神の見えざる手のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.5
アメリカ映画は政治劇に限る!政治劇は薄っぺらい笑顔の建前が吹き飛ぶ本音しかないから好き!「半沢直樹」ってこういう話をめっちゃめちゃドメスティックなお茶の間の温度にしたようなドラマなんだよね、私あんまり見たことないけど(1も2も最終回だけ見た)あの世界を極限までスタイリッシュに仕上げるとこうなるよね。

こういう話、男が主役だとありふれてるんだけど(ジョージ・クルーニー主役やってそうなのすぐ想像つく)美しくはあるけれども清くも正しくもない女がダークヒーローの主役で、キーパーソンも女という映画なかったんじゃないかな。男は徹底して補助か悪役。男性のキーパーソンはダークヒーローが利用したエスコートサービスくらい?でも「女に買われた男」だから補助だよね。ここに作り手の意図よく出てるよね。(倫理的にはさておき)物語として善玉社会的弱者の男は悪者にしない、悪いのはエスタブリッシュの白人男性と女のダークヒーローの主人公だけ。

まあハンニバル・レクター博士と変わらないサイコパスなんですよ。強く美しくカッコいいけど悪いサイコパス。この映画、このダークヒーローが女であることで伊藤詩織さんばりに不必要なバッシング受けてるはずのそういう部分は本人にちらっと言わせただけで描かなかったの品がよろしかったね。

私は選挙大好きだけど自分が政治家になる気は全くなくて、表に出るの好きじゃない参謀タイプとしてロビイストに憧れてたことがあったんだけど、体力的にもメンタル的にも絶対無理だなとつくづく思った。この主人公同い年に生まれてる設定だったので、高校時代のそんな気持ちを少し思い出した。

とっても楽しかったです!「モリーズ・ゲーム」の時に引き合いに出されてた「女神の見えざる手」、私こっちの方が好き!でも邦題に「女神」と入れちゃうのはセンスない。「神の見えざる手」というターム使いたいのはわかるけども、女神はちょっと安直。女神というより悪魔な部分もあるし。


それにしても楽しかった!ジェシカ・チャスティンこんな役ばっかやってんのかな?日本で言うとファン層米倉涼子みたいなもん?
ーcoyolyー

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