イイ線いっていたのだけれど、ラストの方はやや物足りなさを感じた映画。ひょっとすると映画に対して偏屈になってきているのかしら、自分。
強いコンプレックスを持つ17歳の女の子が空回りする。ハンサムでデキが良く、母親に好かれている兄に嫉妬し、人に甘え、ワガママをぶつけ、自分自身を追い込んでいく。
ワガママシーンが長く、ここまで執拗に自分を追い込む彼女をどうまとめるのだろうと、期待して観ていたら、ほぇっ?という感じだったかな。
闇の部分が重いわりに、解放のされ方が軽いというか…。主人公のある人に対する態度の変化も、自分的にはリアリティが感じられず…。周りが捨てておかない憎めないキャラ設定ということにも、あまり共感できなかった。
とはいえ、コメディとしてはなかなか笑える。主人公の毒づき方が面白いし、先生もいい味出している。一緒に鑑賞した人はとても良かったと話していたから、自分には足りないところがあるのかもしれないと思い、もう少し考えてみる。
他人からみればワガママにしか見えない悩みであってもその人にとっては大問題。そして自分の抱えている生きづらさを我慢せずに、はっきりと表に出す。これって実は17歳に象徴される若さの健全な姿なのかもしれない。
40歳を過ぎるともう手遅れだけれど、若いうちはまだ先があるから、周囲もワガママを聞いてくれるし、やり直しもききやすい。だからもし自分の生きづらさをなんとかしたいと本気で思うのであれば、若いうちは衝突を恐れず、自分の感情をさらけ出してみるのが良いのかもしれない。
この映画に共感できなかった自分は、もはや生きづらさを表にだすなんて許されないトシだから、無意識のうちに羨ましく思っているのかもしれない。そう思ったら、主人公の彼女のことが少し微笑ましく思えてきた。