ジェーン・ドウの解剖、観賞。
ほぼ施設の中で展開されるソリッドシチュエーションホラーだが、監督はなかなかタイトな縛りを自らに課しており、少ないカードを用いてホラーの定石通りに物語を転がしていく手腕は鮮やか。見せるところと想像させるところのバランスがうまく、
パズルのピースが次々とはまっていくような伏線のベタな回収も小気味良い。
解剖しながら推理を組み立てていく本作のスタイルが、迫り来る恐怖の予感との両輪となり、映画の中盤を引き締めているだけに、終盤セリフで唐突に説明してしまう箇所があるのが惜しい。あともうひと踏ん張り、絵に語らせる設定を導入してほしかった。
医療系グロ描写が苦手なので全編顔をしかめながら観賞したが、とてもエンタメしている90分だった。良作ホラーだと思う。
建物の内部を撮るカメラが美しい。