著者ロレンスが故郷で炭鉱事故を目にし、執筆した小説。
上流階級に育ち、資産家チャタレイと恋愛結婚したコンスタンス。
しかし夫は戦争で半身不随となり、コンプレックスやストレスを抱え、幸せな結婚生活は激変。
そんなときコンスタンスが恋に落ちたのは、屋敷の召使いメラーズ。
身分違いの恋を、姉も他のメイドも、当然冗談か遊びだと思った。
それが悲劇のきっかけでもあり、二人の愛を試す良いきっかけになったとも言える。
本作においては激しい性描写はない。R指定もついていない。恋は比較的ロマンチックに描かれている。
それによって、当時の労働者階級が、どれだけ虐げられ、上流階級を憎んでいたかという問題が強調されている。結果的に、復習の物語でもある。
身分に囚われていたチャタレイは、最後には資産しか残らなかった。
コンスタンスはわざわざ数パターンの服を着まわしており、お金はあるけれど浪費家ではないのかな、と感じさせる。
コンスタンス役グレインジャーがピュアな魅力で、作品をただの不倫に終わらせず、成立させている。
メラーズ役マッデンは、まさか恋するはずもないような身分の低い森番、という雰囲気は少し薄いように思った。少し綺麗過ぎる。