三次元からきたブロンディ

残像の三次元からきたブロンディのレビュー・感想・評価

残像(2016年製作の映画)
4.4
記録
ポーランドの名監督アンジェイ・ワイダの遺作。
自分はまだワイダ作品はこの映画と『地下水道』と『灰とダイヤモンド』しか観てはいないが、やはりこの監督は好きだ。

遺作は中々の見応えのある作品だった。ポーランドの前衛芸術家がソ連の弾圧に苦しめられ自分の作品が次々に撤去され破壊される。その主人公が弾圧に抗い全てを失っていく物語だ。

主人公の芸術家は実在の人物をモデルにし、ワイダが演出していく。この映画を観た時、何となくジャック・ベッケルの『モンパルナスの灯』を彷彿とさせた。只、この映画は監督の込められた思いで作られており、ソ連に弾圧されたポーランドの情勢を数々に描いてきたアンジェイ・ワイダならではこその作品であるに違いない。

これを機にアンジェイ・ワイダ作品を全作Blu-ray化してほしい!