残像の作品情報・感想・評価・動画配信

「残像」に投稿された感想・評価

のんchan

のんchanの感想・評価

4.0
『カティンの森』で知ったポーランド🇵🇱の巨匠アンジェイ・ワイダ監督の遺作。

第2次世界大戦後、ソビエト連邦の影響下にあるポーランド。
社会主義政権による制圧の中、不屈の精神で立ち向かった前衛画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの生涯を描いた伝記ドラマ。

造形大学の教授をしていたストゥシェミンスキは、創作活動と美術教育に情熱を注いでいた。熱心な生徒達から尊敬を超え崇拝されている存在だった。彼らは教授の言葉を目をキラキラさせて聞いている。

「モノを見ると目に像が映る。見るのをやめて視線を逸らすと、今度はそれが残像として目の中に残る。残像は形こそ同じだが補色なんだ。残像はモノを見たあとに網膜に残る色なのだよ。人は認識したモノしか見てない。」

スターリン政権主義が色濃く残るポーランド政府は芸術を政治に利用しようとし、要求した芸術は《社会主義リアリズム》であった。
しかし、ストゥシェミンスキは政府に反発したために迫害され、尊厳は日に日に踏みにじられていく。絵の具🎨も買えず、食べるものすら口に出来なくなって...

1人残された10代の娘が気の毒でしかたなかったが、着ているのは赤いコート🔴『シンドラーのリスト』を思い出さずにいられなかった。



【抵抗三部作】として有名な『世代』『地下水道』『灰とダイヤモンド』が観たい‼️でもソフト化もされてないし、配信も期待薄だろうな😔購入するには高過ぎる😒
WWⅡ後@ポーランド
終わり方せつな〰︎。つら〰︎〰︎。

2018.11.17レンタルDVD*字幕
mh

mhの感想・評価

-
終戦後のポーランドで、急激に浸透する共産主義に翻弄された実在した画家の半生記であり、アンジェイワイダの遺作。
画家のおじいちゃんがめちゃくちゃかわいそうかつ、救いがまったくない。
共産主義を選んだひとたちを人情味ゼロの冷血悪人にしてしまったのがすごいというか、アンジェイワイダどうしちゃったのだろうかと心配になる。
みんなが冷たくなるから共産主義はあかんというメッセージもありそうで、アンジェイワイダそういう作風だったっけ?
おおきなはてなマークも浮かぶんだけど、主人公の画家をまあまあのクズにしてるのは監督らしいと思った。
子どもより愛人取ったり、愛人の危機を聞いてもなにもしなかったり、やってることはかなりエグい。それが目立たない作りになってる。
もうだれもいないベッドの前にいていいかと聞く娘でエンド。
この締めくくりかたがめちゃ良かった。
話には関係ないけど、モノクロで見たかったなぁとも思った。
モノクロなら共産主義社会の物質的な貧困もきれいに見せてくれるのにね。
カラー作品だとみもふたもないね。
面白かったです。
ちろる

ちろるの感想・評価

4.0
『灰とダイヤモンド』や『カティンの森』など多くの名作を残して、ポーランドを代表するアンジェイ・ワイダ監督にとっての遺作となった本作。
エネルギーは最後まで、いやむしろ最後だからこそ本物である。

芸術と政治の狭間で苦悩しながらも信念を突き通したポーランドの画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの半生を、重厚感ある映像に乗せて魂を込めて見せてくれる。

ポーランドの権力による抑圧について、終生その怒りを自らの作品にぶつけ続けた、ワイダ監督は、このストゥシェミンスキと自分を重ね合わせてたに違いない。

スターリン主義の影が迫った、戦後のポーランドで、前衛画家として造形大学の教授として学生たちに芸術を伝えていたストゥシェミンスキ。
「イデオロギーなき芸術は否定せよ」という変化していく価値観の中で、圧力により職を失い、協会を追放、絵の具さえ買えずに全ての立場を奪われ尊厳を踏みにじられていく。

作品の中でもっとも象徴的なのは、スターリンの肖像画の描かれる真っ赤な垂れ幕が、彼のアトリエをカーテンの如く覆い尽くしたシーン。
真っ赤に染まる部屋は個人の信念を容易に蹴落とすことのできる独裁政権の残酷さを見せている。

全体主義の抑圧の中で、気高すぎる信念はどこまで耐え続け輝くことができるのだろうか?
芸術がイデオロギーに支配されるはずはないのは現代の常識であり、この物語は過去の苦々しい愚かな所業なのだと思いたいが、
実際は社会不安の中で、再び私たちの世界はこのような全体主義が強まりつつある。
少し何かが転べばイデオロギーが個人の尊厳を簡単に殺すこともできるのは実は現代も同じで、
そしてこのお話が決して忌まわしき『過去の』芸術家たちへの精神的殺人ではないのかもしれないと今の日本を見てふと思う今日このごろ。
コ

コの感想・評価

4.0
悲しいの連続だったけど、知らない時代を知らないで終わらせなくてよかった。長い物には巻かれろって本当によくある。「市電に轢かれてしまえ」というセリフ、学生の作品が壊されたシーン、本当にひどかった。

何があっても学生に慕われるストゥシェミンスキ先生の授業は、絵を全くわからないわたしにもわかりやすくていい勉強になった。"残像はものを見た後粘膜に残る色"というのがタイトルと映画にぴったりな、本当にいい授業だった。
どちら側かと聞かれて毎度"わたしの側だ"って答えるブレない軸がかっこよかった。
『抵抗三部作』で有名なアイジェイ・ワイダ監督の遺作を鑑賞。

戦争で片手片足を失った前衛画家で大学教授でもあるポーランドに実在した、舌噛みそな名前のヴワディワフ・ストゥシェミンスキの実話系セミフィクション。

芸術は社会に反映するという全体主義な圧政敷かれる第二次世界大戦後のソ連支配下ポーランドが舞台。

大学と芸術家協会からも追放されながらも、社会主義政府の思想を由しとしない信念の下 芸術表現の自由を主張する不屈の闘志!

…映画的ゆえか?『まぢ?😲』って位ホントにこんな信念に殉じたのかはさておき、前知識無いとちと難解な所も有るがなかなか濃ゆい内容。

鑑賞後、タイトル通り確かに『残像』残る作品ではあったな~。
社会の風潮に屈することなく自分の芸術を貫いたポーランドの実在の画家、ストゥシェミンスキの伝記映画。

2021年61本目。

非常に静かな展開、絵面ながら強い信念を感じさせてくれる作品でした。もう少しストゥシェミンスキに関する予備知識があればもっと深い感動に繋がったかもしれませんが、正直少し退屈もしてしまいました。どれだけ迫害されようと自分が信じる芸術を貫いたその姿勢には、薄っぺらい表面だけのそれとは明確に違う「表現の自由」への叫びを感じました。
OASIS

OASISの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

芸術はプロパガンダではない。
その境界線はなんだと言われたら分からないが、アートそのもの、まさに絵画なんかは見るものによって幾通りにも意味を見出だせるし捉えようによる。

体制に反抗する主人公はワイダ監督自身の写し絵でもあるだろう。
尊厳を貫こうとすればするほど生き辛くなる世の中。
数々の芸術家、映画監督がこの事態に直面する中で生み出されたものに外野がえれこれと解釈をつけることの滑稽さよ。
その答えは本人の中にしかないのだということを知るべしということか。
monkey

monkeyの感想・評価

3.5
第二次世界大戦後のポーランド、芸術の政治利用に抵抗とはいえ凄まじい反骨には見えなかったけど凄まじい排除ぶりだった
へい

へいの感想・評価

-
政治と独立した芸術の自由の為に、ソ連に反発した男のその後。

教授職を失い、免許も剥奪、食うものさえなくなる。人生を捧げてきた道具である絵具でさえ買えない残酷さ。
社会主義のリーダーたちを描くというプライドを捨てたアルバイトをやっと手に入れたと思った矢先にクビになる。政府の徹底した芸術家を無視して排除していく力の恐ろしさ。

しかし教え子や女を人質に取られても、自分の芸術論完成の為に無視していく絶対に政権に屈しない主人公の狂人っぷり。死ぬまで目が死んでないんだよな。

娯楽である映画でさえプロパガンダで何もかも絶望的だった。

まじで芸術は無くしてはいけないし、不要不急なんかじゃない。
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