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「残像」に投稿された感想・評価

abo

aboの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ナチスに翻弄され、その大戦が終わってやれやれと思いきや、今度はスターリンに引っ掻き回されるという不遇なポーランドの時代に遭遇した、ある芸術家の物語。
自らの信念を貫いた結果、彼は大学の職を追われ、芸術家としての活動の場を追われ、飢えて野垂れ死ぬ、そんな真綿で首を絞めるような凋落の姿を静かに・淡々と描いた名作です。

反体制を描いた作品にありがちな、ヒロイックさも、ストイックさもないという意味で、一線を画したこの作品。アンジェイ・ワイダ最晩年のものですが、抵抗三部作の時代から一貫して、戦争は人と歴史を蝕む現実でしかないと、最期まで訴え続けてきたそのパワーに敬意を評します。
ekn

eknの感想・評価

4.0
「社会主義リアリズム」か否かで全ての芸術の価値判断がなされる時代。最後まで抵抗した男はショーウインドウの中で倒れ、街を行き交う人々は彼に一瞥もくれない。
抑えたトーンの街並みと色彩豊かな絵画のコントラストが印象的。冒頭の草原を転がる彼とその生徒たちの姿は、その後の展開を予期させるにはあまりに美しい光景。
Chico

Chicoの感想・評価

4.0
アンジェイ・ワイダ監督の遺作です。
歴史に翻弄され、家族を失い、表現の自由を奪われた芸術家の話です。ただただ胸が痛い。絵を描けなくなることは死ぬことと同じですね。(絵描きの端くれとして観ていたのでとてもつらかった。)

象徴的な色使い、カメラアングル、演出が素晴らしかった。言葉がなくとも伝わる、イメージの力を見せつけられた。
nonno宣

nonno宣の感想・評価

4.0
Aワイダ作品は何本か観てるが矢張り良い
空のスーブ皿を舐める場面や白い花を青に染め亡き妻の墓に行く~涙が出た
残された女の子は如何して生きたのか~
体勢に叛するとはこんな酷い仕打ちに遭わされるのか!
見応えある作品だった又主人公の役者の
静の演技も上手い
8637

8637の感想・評価

2.8

このレビューはネタバレを含みます

な...何だこの映画は。差別されすぎたストゥシェミンスキを同情させた事によってあんなトラウマのラストを観せられてさぁ...

たった一言、政府に異論を立てただけで世界から追放されて、身の回りの権利が全てチャラになるなんておかしい。観客はそんな彼らをただ見守る事しかできない。まるで彼を観る私たちが悪者かのように。これが悲しい。
しかし彼の教え子たちは彼に希望を与えていて、観客としても、苦しい世界の中で、それだけが息をさせてくれる。

だからこそ、ラスト2シーンがエグい。
ストゥシェミンスキは人の通る通りの店のショーケースで自殺をした。こんなに異様な光景なのに誰も見向きもしなかった。それも、社会から外された者の哀愁なのかもしれないけれど、こんな世界観ていられない。
そして驚いたのはラストカット。ストゥシェミンスキの娘は、誰が寝ているわけでもないベッドに向かって、何か語りかけているかと思いきや、さっとフェードアウトしてしまった。
あれで私は何を感じればいいんだろう。分からない。でも間違いなく、何でも感じられる、トラウマ的なラストだった。


そしてこの映画、様々な歴史を描いてきたアンジェイ・ワイダ監督の遺作なんだそう。

...
順

順の感想・評価

3.9
アンジェイ・ワイダ監督の遺作。
第二次世界大戦後のポーランド、社会主義リアリズムの流れに抗う芸術家の半生。
あらゆるものを失いながら信念を貫くこと。無常。
kaz

kazの感想・評価

3.8
アンジェイ・ワイダ監督作品初めて観たけど、今作が遺作なのね…
ケン・ローチ監督やテオ・アンゲロプロス監督を思い浮かべる社会派な印象。

映画が難しいというより、劇中の教授の講義が難しかった。😅(内容はとても興味深い)
こういう映画を観ると、芸術に政治の話を持ち込んだらイカンな〜と思ってしまう。
まる

まるの感想・評価

4.1
90歳の作か〜 最後まですごいなと。
人は認識できることしか見ない
という事を再認識して刺さった。
凄まじい弾圧。
スラブ文化圏の友人から、何かの余談でさらっと聞いてはいた歴史だけど、これは重い。
政府として、民衆として、色んな視点があるけど、その責任の重さを、誰も忘れてはいけない。
全体主義がナチスから赤軍に溶融
アヴァンギャルドとプロパガンダ
構成主義から社会主義リアリズム
地政学的不幸がポーランド美術へ
失われるものの大きさに戦慄する
視覚表現の自由を次の世代に託す
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