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THE BATMAN-ザ・バットマンーのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.8
【スリラー映画のススメ】
◆作品名:
THE BATMAN-ザ・バットマン- (2022)
◆映倫区分 / 日本 G(制限なし)
      米国 PG-13
◆スリラーの要素
 正体不明の難敵から追い詰められる
「不安」を描く
◆本作のポジショニング
 サスペンス □■□□□ ホラー

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・過去を持つ青年ブルースは復讐を誓い、夜になると黒いマスクで素顔を隠し、犯罪者を見つけては力でねじ伏せ、悪と敵対する「バットマン」になろうとしている。
・ある日、権力者が標的になった連続殺人事件が発生。史上最狂の知能犯リドラーが犯人として名乗りを上げる。リドラーは犯行の際、必ず「なぞなぞ」を残し、警察や優秀な探偵でもあるブルースを挑発。やがて政府の陰謀やブルースの過去、彼の父親が犯した罪が暴かれていくが…。

〈見処〉
①マスクに隠された「嘘」を暴け——
・『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は、2022年にのアメリカのスーパーヒーロー映画。監督は『猿の惑星:新世紀(ライジング)』シリーズのマット・リーブス。
・本作は、DCコミックスの「バットマン」を主人公とした映画化シリーズとして、ティム・バートン&ジョエル・シュマッカーの4部作、クリストファー・ノーランのダークナイト・トリロジー、『バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生』から始まるDCエクステンデッド・ユニバースに続く4度目のリブート作品。
・本シリーズは、バットマンとして2年間ゴッサムシティで戦い始めた30歳の青年ブルース・ウェインが、社会に蔓延する嘘を暴いていく知能犯リドラーによって彼の人間としての本性がむき出しにされていく様を描いている。
・出演は、ブルース・ウェイン / バットマンを『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソン、キャット・ウーマン役にレニー・クラヴィッツを父に持つ、ゾーイ・クラヴィッツ。過去シリーズではジム・キャリーが演じた、本作ヴィランのリドラーをポール・ダノ、バットマンの盟友、ゴードン警部補にジェフリー・ライト、執事のアルフレッドにアンディ・サーキス、次回作品以降のサブ・ヴィラン役が想定されるペンギン役には、特使メイクを纏ったコリン・ファレル。

②製作の経緯
・本作は元々、先代バットマン役のベン・アフレックが『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』に引き続き、DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)を舞台にした新バットマン映画の監督・製作・共同脚本・主演を務めることが決まっていたが、『ジャスティス・リーグ』製作時のトラブル等を発端に2017年1月に脚本と監督を降りた。
・後任監督として登用されたマット・リーブスは、若き日のバットマンに焦点を当て、探偵としての側面を強調したストーリーに作り変えたものの、アフレックは2019年1月にプロジェクトを離脱。
・同年5月にパティンソンが代わりにキャスティングされ、DCEUとの世界観との共有のコンセプトは撤回されることになった。
・2020年1月に撮影が開始され、同年3月に新型コロナウイルスの世界的流行の影響で製作が中断されたが、9月に再開され2021年3月に撮影が終了した。これらの中断により、当初の公開予定日の2021年6月から、幾度も延期を繰り返し、2022年3月に再延期されていた。

③結び…本作の見処は?
新シリーズ1作目としては及第点。
◎: 歴代バットマン俳優として、本作のロバート・パティンソンが最も魅力的にウェインを演じており、ヒロインのキャットウーマンとの関係性も歴代作品で随一。
○: ノーランのダークナイト・トリロジーよりもさらに暗く重厚な作品。バットマンのファーストルック・シーンやカーチェイスなど、アクションとしても見どころが多い。
▲: リアリズムを追及したリドラーの「謎かけ」に対して、バットマンがサクサクと回答を進め、サスペンス要素は、期待には届かず。ポール・ダノの怪演は認めるが、ヴィランとしてのインパクトは薄い。
▲: 「3時間の長尺」「娯楽性が低い割にはスリラー要素も低い」「ヴァンパイア映画並みに夜の場面ばかり」「ロバート・パティンソンの素顔のシーンが少なすぎる」など、ヴィランのリドラーより睡魔との戦いのほうが手強い。
▲:「ジョーカーの衝撃は序章に過ぎなかった」というキャッチコピーに完全に負けている…というか、センスを感じない。
×: 3秒で終わる意味不明なエンドロール後映像。最後まで見て後悔。
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