小学生高学年女子の人間関係ドラマ。
新鋭監督の挑戦的な映画。
以下ネタバレ。
脚本はわかりやすく陰湿なリアル展開。非常に自然で状況が容易に想像でき、そしてあらゆる感想が自分の過去に跳ね返ってくる。言い換えれば記憶の追体験。いろいろ思い出してしまいとても重い気持ちになった。
どうしてこういうコミュニケーションしか取れないのか、大人だからこそ別の正論を振りかざしてしまうわけだが、子供の世界からすればこの1つのパターンしかないほど価値観は限定されていて、確率的に確実に発生してしまう状況。
テーマを小学生にしてここまで大人の鑑賞のために作られた映画というのも珍しいのではないか。監督は表現の新たな地平を切り開いたと言える。
小学生の演技がうますぎて本気でイライラした。特にあのいじめっ子うますぎ。脚本のリアルさ自然さをそのまま出す演技。
表情アップとノーカット長回しを駆使するカメラワークも美しかった。演技の自然さが際立って感じられる。手カメラっぽく結構ぶれたりするのが、観ている側と役者との距離の近さを想像させ、気持ちがシンクロしていく。
余談。
公式サイトのNOTEが非常に良い。台本を渡さないで撮影するというのがいいです。
http://www.watashitachi-movie.com
監督のインタビュー。最後に弟さんがいい台詞をいうのだけどそこの練習がしつこすぎて嫌われたと書いてあるw
http://www.cinemajournal.net/special/2017/watashitachi/index.html
何十年も前に小学生だった私でもわかる状況だったので、いつになっても小学生のコミュニケーションは変わらないのかという気がした。
小学生のときに友達を作るのが苦手だった人間は何歳になってもあまり状況は変わらないのでは。
正直小学校は解体かAI管理にしてほしい。でもそれはディストピアなのかも。わからない。