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なっちゃんはまだ新宿のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

なっちゃんはまだ新宿(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ヒロインの片想いの相手には別の高校に通う彼女「なっちゃん」がいて、ヒロインは彼が語るなっちゃんのことが気になっていた。ある日、ヒロインの部屋に突如なっちゃんの幻覚?が現れ、二人の交流が始まるのだが…という話。

ミュージシャンと映画監督がコラボレーションする映画祭のために撮られた青春映画。監督もキャストも20代前半の若さ。別の映画を劇場で観た際に予告編が印象的だったのを覚えていて今回鑑賞。

とても不思議な空気感の映画。期待以上に楽しめた。
作品の軸の一方に音楽があるので、エピソードは全体的にふわっとしているけれども、何故か印象に残るストーリーだった。会ったこともない相手が自分の人生に多大な影響を与える話で、よくあるケースだとそれは芸能人やスポーツ選手、作家だったりするのだが、本作では彼氏の元カノというユニークな設定となっている。そしてその想像上の「なっちゃん」が主人公の前に現れる。片想い相手の彼女で普通なら嫉妬に狂いそうなものなのに何故か二人が仲良くなってしまう。やがて彼氏はなっちゃんと別れヒロインと付き合い始め、それをきっかけに幻覚のなっちゃんも消えてしまう。後編は10年の月日が流れたあと、東京で働くヒロインが本物のなっちゃんと再会(初対面)するエピソードとなる。このあたりの発想も面白い。既に大人になっており彼氏とも結婚間近なヒロインが何故かなっちゃに執着して暴走する過程が音楽とともに綴られる。ヒロインにとっての彼女は片想い期間の苦しくて美しい想い出の象徴なのかなあと思った。
バンドとコラボする必然性はそれほど感じなかったが、曲と歌声は心地よく、終盤の主演2人の逃避行シーンとライブのシーンは上手くシンクロしていた。バンドメンバー2人はメインキャストとして出演していたが、2人とも演技はそこそこうまかった。
出演者は20代半ば〜30代の世代だと思われるが、高校生を演じるにはムリのある人もいたし、逆に10年後を演じるには若すぎるメンバーもいてやや違和感はあった。

高校時代のヒロインと彼氏が抱き合うシーンに、気のせいか髪の長い女性の後ろ姿が映り込んでいるように思えた。ストーリーには全く絡んではこなかったのだが、これは幽霊とかなのでは…?
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