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愛を歌う花のTAMUのレビュー・感想・評価

愛を歌う花(2016年製作の映画)
3.8
貧しくとも芸を磨き気高く振る舞う妓生(キーセン)。そして幼き頃から共に育ち、妓生に一生を懸けると誓った才能溢れる若き姉妹のような2人、ソユル(ハンヒョジュ)とヨニ(チョンウヒ)。

そんな2人の前に現れる若き天才作曲家ユヌ(ユ・ヨンソク)。彼の生み出す歌謡曲により恋と歌と2人の運命が大きく動き始める。

いわゆる音を外さないで歌う詩吟のようなパンソリと感情を込めて歌う歌謡。この才能を実際歌って表現し、観客に納得させる必要がある点は歌を軸にする映画のポイント。

この点、感情を込めて庶民の心を歌うヨニの「朝鮮の心」、歌声はシビれるほど美しく、また、ソユルの「愛と嘘」は悲しみに満ち溢れており、元々ファンなので加点もあって感涙。

惜しむらくは展開が思った通りに進んでしまったところ。意外性のある展開よりは、堕ちていく女性の哀しみに想いを馳せるのがよろしいかと。
(マジでヨンソクはぶっ飛ばしたいw)

あと時代背景として意外と垢抜けてモダンな1943年の京城(現ソウル)が垣間見れ、これだけ見ると慰安婦問題に考え込んでしまうこと請け合い。

ちなみに字幕製作に神田外語大学とクレジットされた本作品。同じ年頃の学生たちが意見を出し合って、みずみずしい言語感覚で翻訳されているかと思うと味わい深い。

追記:iTunesで解語花(해어화)の音源ありました♪
한효주, 천우희 & 차지연「해어화
https://itun.es/jp/JZ62bb
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