140字プロレス鶴見辰吾ジラ

不能犯の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

不能犯(2018年製作の映画)
3.2
《ズンドコ「ダークナイト」》

陳腐、薄い、臭い。 
役者陣の演技の仕方に違和感しか感じない。映画として成立するに至らず、単にアイドルの売り出しで垂れ流されてるTVドラマシリーズの域で行ったり来たり。

特に沢尻エリカ様!
いや、沢尻エリカ!
3つ、3つ問いたい! 

1つ!あの演技は手抜きか?
キャラの整合性がなくキレたのか?
2つ!それが本来なのか?
実は真面目に取り組んでたのか? 
3つ!…特にありません。

漫画原作かつその原作のエピソードを繋ぎ合わせることによって質より量のテンポ性と松坂桃李演じる宇相吹のだーくひーろー性を高めた方針は良いと思う。さらに白石晃二監督の漫画的世界の実写性が魅力的なマインドコントロールのシーンも良かった。「コードギアス」のギアスのシーンの実写ならばこうなる!という納得感を作り出していて、「コワすぎシリーズ」の異世界の禍々しさも「魔法少女まどかマギカ」の異世界の実写投影性があり、ワンポイントの白石監督の味が出ていた。

ただ本作はコミック原作ゆえの「ダークナイト」への挑戦欲が垣間見え、バットマンとジョーカーとのライバル性からアンパンマンとバイキンマンと正義と悪、さらに根本な光と影の「トムとジェリー」的な追い追われの表裏一体性に帰着していると感じた。正義と希望サイドの刑事と人の悪の側面に付け入るもう1つの正義サイドとしてのダークヒーローの対決もいうのが光と影の対立として妙に合点がいき、その点において本作の脆いながらも値打ちがある楽しさと思えた。