マンボー

先生! 、、、好きになってもいいですか?のマンボーのレビュー・感想・評価

3.4
広瀬すずが、純粋で行動力のある女子高生を演じていてとても魅力的で、彼女の魅力を引き出すために撮られた映画のようだった。

生田斗真は、勝手ながらもっと爽やかで華のあるイメージだったが、本作では世界史の教師役で史学の先生らしく、やや地味め。考えは中立的で深いけれど、理性があって、とっさに本能的に動けない役柄を演じていて、当初は配役ミスかと思ったけれど段々と見慣れていった。

わざとらしい設定はいかにも漫画原作らしく、やり過ぎにも感じたけれど、広瀬すずのキャラクターをとにかく魅力的に描くことに徹した演出は分かりやすくて好感が持てた。

本当の広瀬すずには、はっきり物をいう印象はないし、可愛らしいけれど、考えていることが見えにくくて、ややおとなしいイメージなのに、これまでいくつかの映画を見て、過去を背負った役や、静かに意志を持った役、優等生役やハキハキした役、どれも広瀬すずなのにそれほど違和感なく、全く違う性格の役柄を演じているのは、才能なのか技術なのか、とにかく誰もができることではないように思える。

昨今、量産されている高校生を主役に据えた、アイドルや若手俳優だらけの恋愛ものの中では、広瀬すずの見た目の可愛さや、生田斗真のカッコよさだけでなく、純粋でストレートで勇気があって揺らがないヒロインや、心深くで相手を想う男性教師の魅力で見られる映画になっていたけど、この映画に感化されて、こんな女性や男性を理想だと思ってしまうと、そんな異性にはなかなか巡り会えず、なかなか恋ができない気がしてしまった。