どんなに賢い子供でも愛情は必要。
フロリダの小さな町に住む生意気盛りの7歳のメアリーと船の修理で生計を立てるフランク、片目の猫フレッドと慎ましくも暮らしていた。学校が始まり、クラスでは算数の授業が行われていたがメアリーからしたら退屈であった。メアリーの態度を見かねた教師は大人でもすぐに答えられない問題を出すもメアリーは簡単に答えてしまう。天才的な頭脳を持つメアリーのことは育て親のフランクは知っていたが彼女のことを特別扱いしようとはしなかった。それはメアリーの亡き母ダイアンの意志を継いだ意向であったから。普通の暮らしをしてメアリーを育てようとするフランクの元に自分の母でありメアリーの祖母のエブリンが現れる。エブリンは数学者であり、メアリーの頭脳のことも知っていたから環境の整った学校にメアリーを編入させようとする。フランクとエブリンは話し合いで解決もせず、メアリーの問題は法廷で争うことに。メアリーの人生のことを想うフランクの下した決断とは。
天才的な頭脳があってもどこにでもいる子供と変わらず無邪気なメアリー。
駄々をこねて朝食を食べなかったり、ピアノを買ってとねだったりするメアリーは大人顔負けの天才的頭脳を持ち、小さな頃から数学の虜になって愛読している本も数学の難しい本。メアリーの母ダイアンは数学者であり、ミレニアム問題という解けた者がいない難問を解いていたがある日自殺をしてしまう。幼いメアリーが一人残されてしまい、ダイアンの弟フランクがメアリーの親代わりをする。元々していた仕事を辞めてメアリーを育てる為に船の修理の仕事をするフランクの子育てはメアリーを特別扱いをする訳でもなく、子供の目線に立つことのできる育て方であった。その甲斐あってか、メアリーは素直で優しい子に育った。ある日、同級生が5歳も上の上級生にいじめられたのにも立ち向かい守ってあげる強い心も持っている。
大人の都合に振り回される子供。
この作品でもメアリーは大人たちの都合によって自分の意志を尊重してもらえずにフランクと離れ離れにされてしまう。身勝手な大人のせいで子供が傷つけられていることに大人が気づいていないこと。子供の為と言うけれど、それは大人が言う言い訳。子供の親権を争う作品はこの他に有名なクレイマークレイマーやチョコレートドーナツもあるけれど、大人たちは本当に身勝手な生き物だと改めて思わされた。子供を道具と思う大人までいるのがおかしいと思う。法律を変えたり子供の人権を尊重するものが必要だと思う。私は今24で子供もいないし、子育ての苦労も知らない。けれど、最近友人が子供ができて父親になるという話を聞いて、親になる覚悟やこれから自分の自由な時間が少なくなることについて少し考えた。たしかに、自分の時間が減ることや責任を伴うのが子育てだが、そんなマイナスなことばかりでは無いんだとこの作品を見て気付かされた。子供の成長やふとした優しさは子育てをしている人たちが得られる特権だと思うし、守るものがあるって自分のモチベーションにもなるだろうし、原動力になるはずだから。
