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ぼくの名前はズッキーニのろのレビュー・感想・評価

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)
4.4

「ぼくはひとりぼっちじゃなかった」


昨年から観たくてたまらなかった一本。
フライヤー3種をじっくり読み、何度も予告編を見返して、いざ劇場へ。

子どもたちの演技を参考に創り出された映像とセリフはとてもリアル。無邪気に遊んだり、感動したり、怒ったり、寂しくなったり。子どもたち一人一人が愛おしくて、抱きしめたくなった。


窓から凧揚げをし、母親が空けたビール缶を積み上げるズッキーニ。
ある日不慮の事故で母を亡くした彼は孤児院へ連れていかれる。
はじめはイジメられ、家に帰りたいと願うズッキーニだが、徐々に居場所を見つけていく。

クロマニヨン人ダンス、雪合戦、仮装パーティ、日常を綴った手紙、そして初めての恋。
独りぼっち、屋根裏部屋で遊んでいたズッキーニは、もうどこかに行ってしまった。


この映画はズッキーニだけが主人公ではない。
手が震えてしまう子、毎晩オネショをしてしまう子、車が来るたびに「ママ!?」とドアを開けて辺りを見回す子。
やっぱり家族の温もりが恋しい。
みんなのリーダー・シモンも眠るときは指しゃぶりしちゃうし、お母さんからの手紙がないとすごく悲しそうだった。みんなをイジメるのも寂しさの裏返しなのかもしれない。


生まれたばかりの赤ん坊を囲む子どもたち。
「この子が大きくなって、もし醜かったら、もし臭かったら、この子を見捨てるの?」
矢継ぎ早に問いかけるこのシーンが、もう切なくて切なくて。
子どもたちの想いに触れると、心がキューッとなる。


映画と少し内容が異なるという原作も、ぜひ読んでみたいです。




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