あまのかぐや

マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディションのあまのかぐやのレビュー・感想・評価

5.0
300!

区切りのレビューはこれにしたくて、駆け込みでみてきた!




昨年のアカデミー賞を騒がせ、嵐のように劇場公開も終わり、ソフトも発売し、CSなどでも時々放送するようになりました。発売と同時にソフトを買って手元に置いたのですが、なんとも不思議なことなのですが、あの劇場で感じた陶酔?酩酊?に近い「あの感じ」が戻ってこない。寂しい。マックスにフュリオサに、ニュークスに、ワイブスたちに会いたい。

今回の特別版公開で、もう一度劇場で観たいという願いが叶って、とてもうれしかった。そして「観たことのないマッドマックス」だったから、さらにうれしい。

4DXで左右上下に揺さぶられ頭だけでなく体全体巻き込まれ、マックスやニュークスらと一緒に何度も生きて死んで、また蘇った。

モノクロで観る「マッドマックス・フューリーロード」は、縦書きで「監督・黒澤明」ってクレジットが出てもおかしくないな。砂漠の凸凹や舞い立つ砂嵐に白と黒の効果が生きる。虚無の近未来はこんな色。特に「緑の地」のなれの果ての沼地の風景。それから、膝を折って慟哭するフュリオサがカラー版より印象的でした。モノクロになって、より一層絶望感が増した。

そして、ワイブスたちの白さが浮き上がって見えた。マックスが初めてみたワイブスのシーンなんか神々しいばかりに輝いてましたよね。

あとニュークスもね。
わたし、あんなに命ギリギリ、輸血袋で生きながらえるニュークスに、なぜか『希望』をみてしまうのよ。
黒やクロームが絶望の色なら、ニュークスやワイブスは希望の色なのかな。

ああ、そうか。だから、これでこそのモノクロバージョンか、と改めて気づく。

この作品の、正統な流れを組む続編が観られる日はいつなんだろう。トム・ハーディはどこかのインタビューで「呼ばれたらすぐ駆けつける準備はできてる」と言ってた。何度も何度も繰り返し観たこのマッドマックスではない、観たことないマッドマックスが観られる日が楽しみ過ぎる。
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