horahuki

サラリーマン・バトル・ロワイアルのhorahukiのレビュー・感想・評価

3.6
レンタル待ってました!!
『Belko Experiment』の原題で覚えてたので、この邦題になんじゃこりゃ!ってなりましたが、内容的には全く間違ってないから文句も言えないっていう…(^_^;)
ちなみに製作・脚本は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズガン!
ホラーだと『スリザー』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』。売れっ子になった今でもこういうの作ってくれるのが嬉しいです(*^^*)

あらすじ…
ベルコ社で働く主人公たち。出社すると入り口で厳重なチェックをされる。不審に思っていると「30分以内に2人殺せ」というアナウンスが。それと同時に全ての入口が超合金のシャッターで閉鎖されてしまう。何かのイタズラだと思っていたが…という話。

従業員たち80人の頭にはチップが埋め込まれてまして。「コロンビアの治安上、従業員の位置把握のため」という名目なんですけど、それが本当は爆弾で不穏な動きをしようものなら即ドカン!至る所にある監視カメラで全員の動きが把握されてるから、アナウンスの命令に従うか何もしないかの二択しかできない状況。そして「2時間以内に30人殺せ。でないと60人の爆弾を爆発させる」というアナウンスと同時にバトロワ的な物語が動き出します。

全員大人だから、最初は理性的な対応をするのがリアリテイあって良かったですね。でも実際に死の危機が目の前に迫っていることを自覚すると、その理性が暴走し始める。本人は気づいてるのか気づいていないのか、自分の中にある恣意的な正義を振りかざし、それが正しいものと盲信し行動する。そしてそれが惨劇へと発展して行く。最初からサイコパスなわけではなく、理性的な大人だからこそ、その理性に歪みが入ってしまった時の怖さと手に負えなさ。荒唐無稽な設定ながらもこういう展開に現実味があって面白かったです。

全員が閉じ込められる前に、サラッとですがメインキャラクターの関係性等の紹介があって、この最低限の描写がしっかりその後のバトロワ展開に活きてくるのも丁寧で良いですね。

ただ、他の方も指摘されてましたが、会社の中だということがあまり活かされてなかったのが残念でした。武器として出てくるのは銃とか斧とか。テープ台とかも出てきますけど、もっとそういう備品類を凶器として活用して欲しかったな〜と思います。殺しのプロじゃないサラリーマン同士の殺し合いなのに、変な意味で綺麗というか…クライマックス以外ドロ臭さがあんまりないんですよね。オチもなんだか微妙だし。そんな感じで気になるところもありましたが、悪ふざけ映画として普通に楽しめる面白い作品でした!
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