こうん

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのこうんのレビュー・感想・評価

4.4
上映時間はたった90分なのに、その映画の中ではものすごい分量の時間(それが時間と呼ぶべきものであるならば)が通り過ぎるのだけど、それをオバQの佇まいを介してサクサク語ってみせるところが素晴らしいし、その時間らしきものは“想い”と言い換えてもよく、それは乙姫/彦星的な日本人のメンタリティにしっくりくるのではないかと思う。
つまり「ぅわなんか今グッと来た~」というところであります。
身もふたもないこと書けば、しこりを残していなくなっちゃったケイシーオバQが成仏するだけのミニマムなお話しなんだけど、それを時空と次元を超えたスケールでもって描かれるすれ違い劇なので、そこが好きな人もいるし、「はったり映画じゃねえかこの野郎!」と激おこの人もいるはずである。
僕はルーニー・マーラのきれいな肩甲骨が観れたので満足です。

藤子F不二雄のSFチックなスケール感が好きだし、角Rのスタンダードサイズの画角と画づくりがムルナウの映画を観ているようで好ましかったですね。
ボカァこの映画大好きです。静かな映画なんですけど、その静けさと映画ならではの語りのダイナミズムが同居していて、素晴らしいと思いましタ。

あといつ死ぬかわからないので、奥さんとの間にモヤモヤ残したまま外出しないように努めたいと思います!

(「テレンス・マリックの映画みたい」とは言いたくない何かが、このデヴィッド・ロウリーさんの映画にはある気がします)
こうん

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