らくだ

泥棒役者のらくだのレビュー・感想・評価

泥棒役者(2017年製作の映画)
4.0
前科持ちで今は更生した元泥棒・はじめは、昔の仲間に脅されて近所の豪邸に盗みに入る。そこで童話作家である家主に見つかり「今日来る予定だった編集者だ」というその場限りのウソをついたことをきっかけに、次々と訪れるダメセールスマン、本当の編集者にそれぞれ別々のウソをついてごまかしながらその場をやり過ごして逃げる機会を伺うが、やがてウソがばれてしまい…というドタバタコメディ映画です。

開始10分経たずもう早速盗みに入って、そのまま「泥棒役者」の名前の通りの本筋が始まり、あれよあれよと風呂敷が広がっていく展開が異様に鋭くて軽やかです。なんとなく不思議なテンポ感だと思ったのですが、原典が舞台演劇なんですね。なるほど…
主人公のへっぽこな善人っぷりが愛らしくて、泥棒でウソつきなのに応援したくなっちゃうんですよね。さらに強烈な個性派俳優にこれまた強烈な役柄が重なって、しばらくこの強烈な面々を忘れることはなさそうです。

ウソからはじまったお話なんですが、コメディという事もあって、モヤモヤしたものの残らない、スッキリと畳まれる丁寧で誠実なハッピーエンドだなーと思います。特に、はじめくんの彼女が本当に良い子すぎる…しかも高畑充希ですよ。かわいい。最高じゃないですか…マジでこんな子二度と会えないぞ。大切にしろよ…今度はカニクリームコロッケが冷めないうちにな…あとちゃんとしたプレゼントを買ってあげてな…


あと、これは本当に個人的な好みの話なんですが、泥棒の先輩は色々と悪どかったのでもうちょっとなんかしらの”罰”があってほしかったなぁと思うのでした。コメディだからそのへんはやさしくあるべきではあるんですけどね…
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