タケオ

サスペリアのタケオのレビュー・感想・評価

サスペリア(2018年製作の映画)
3.7
ヴェネチア国際映画祭で公開されるや否や史上空前の賛否両論を巻き起こした大大大問題作だが、そのリメイクという枠にとらわれることのない大胆な新解釈と情け容赦のないゴア描写の数々には度肝を抜かれた!

「オリジナル版を冒涜している」といわれても仕方ない気もする、怒涛の換骨奪胎が施された本作はダリオ•アルジェントの「サスペリア」では断じてないのだから。

バレエからコンテンポラリーダンスへ、舞台は1977年のベルリンへ、原色を強調した世界観から無機質で乾いた世界観へと様々な変更を加えた結果 上映時間はオリジナル版を遥かに上回る152分にまで膨らんだが、その凄まじい情報量を回収するには正直足りないぐらいのボリュームだ。

また、随所に挟まれるテロや暴動などのニュースで時代背景を浮き彫りにすることで、ダンス•アカデミーで巻き起こる魔女たちの狂乱の妖艶さと残忍さに深みを与えることに成功している点も見事!

ここまでオリジナル版に対して反旗を覆したリメイク作品があっただろうか•••と思ったが、よくよく考えてみると本作が反旗を覆したのはオリジナルに対してではないし、むしろオリジナル版に対するラブレターのような演出も多い。

本作が真に反旗を覆したのは「リメイクたるものこうあるべきだ」と決めつける映画ファンたちなのだ!

詳しくは言えないが衝撃かつ鮮烈なクライマックスは、オリジナル版をリメイク版が脱皮する様をそのまま表現してみせる。

何もかもが強烈かつ桁外れ、リメイクの常識を一変させかねない革命作だ‼︎‼︎
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