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彼女がその名を知らない鳥たちの小のレビュー・感想・評価

3.9
この感想文を書く前に、核心部分の構造が似たフランス映画を見た。こういう物語の構造って映像にハマるんだなあと。

2作に共通するパターンは、美人だけれど内面的にちょっと~な女性と、彼女に不相応な男という組み合わせ。そこにイケメン男性が現れて女性の心が傾くけれど…、みたいな感じ。

想像力の乏しい自分はこんな状況ってあり得るの?という気がするけど、そこはおいておくとして、フランス映画の方は、女性が生きるためにアレに頼る物語かなと思った一方、本作は非モテ男の純情をなめんなよ的で、こちらの方が共感できるかな(笑)

俳優さんについて言えば、蒼井優さんって地が出てるよね、きっと。以前、『家族はつらいよ』のトークショーで橋爪功さんが蒼井優さんの素顔について「がらっぱち」と表現していたのを聞いてから、『オーバーフェンス』とか『ミックス。』も地が出てるよなーとか勝手に思いながら見ていたけれど、こういう役の演技がハマる美人女優って他にいない気がする。

阿部サダヲさんは、共感を得ないための汚さと下品さがやり過ぎな気もしたけれど、彼にとっての大事なことがわかった今となると、身なりなんか気にしていられないことに、納得する。

松坂桃李さん、竹野内豊さんのイケメン2人はダメ男っぷりが際立っていて、とても良い…って、ひょっとして非モテ男が溜飲を下げる映画ですか?

そういえば、昨日見たアメリカ映画は非モテ男の復讐譚?みたいだったかも…。世の中、ようやく非モテ男を慰めることの必要性に気づいてきたみたいでちょっと嬉しいかも(笑)

なお、フランス映画とアメリカ映画が何かについては、忘れないようネタバレありコメント欄に順に残しておこうかと。

●物語(50%×4.0):2.00
・もはやモテたい願望はないけれど、非モテ男として共感できるかも。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・下衆でクズな俳優さんの演技がみんな良かった。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・陰影が雰囲気にマッチ。
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