るるびっち

嘘八百のるるびっちのレビュー・感想・評価

嘘八百(2017年製作の映画)
3.8
贋作を掴ますには「ニード」「スピード」「グリード」の三つが必要と劇中にある。
が、もうひとつ「エピソード」もあると思う。それも相手が欲しがる逸話だ。
秀吉に切腹を言いつけられたことで却って、″かもめ″のような自由を得た利休が最後に手にしたのは大海原を渡る心境を表した茶碗。
道具マニアにそう訴える「エピソード」が、相手の目を惑わすか否か?
答えは作品を観て頂こう。

他には、今村昌平を彷彿とする猥雑さ。
和製「スティング」はこんなにコテコテなものなのか。ギャグがクドいと思う人もいるだろうが、そもそも関西芸はクドいのです。

古狸を騙す道具屋の店名が「獺(かわうそ)」なのも一興。
なんとなくインチキ臭い感じがあるし、獺は獺祭(だっさい)など、モノを集める習性があるのでピッタリかも知れない。
ピンクのイルカも一見ファンタジックだが、アマゾンに住む目の退化した「アマゾンカワイルカ」のことだ。動物ネタが中々俊逸。
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