あまりに不快で純粋な物語
日本公開中止となった本作は、どのシーンがまずかったのか、見れば一発でわかるのだが、作品の核心に触れる部分のため中止の理由は詳しく明かされなかった。
アメリカでは批評家の論評が真っ二つに割れ、観客からはすこぶる評判の悪い作品だが、残念ながら私もこの映画は本当に酷いと思う。
作品の完成度うんぬんではない。あまりに理不尽で残酷な物語であり、こんなにも救われない気持ちになればそれは観ている側も不快極まりないだろう。
がしかし、この感情こそが、監督ダーレン・アロノフスキーの目的であり「これは〇〇〇〇についての物語である」とはっきり語っている。
これが何についての映画であるのか、それを理解すれば、この映画の見方は大きく変わるかもしれない。