Jaya

赤線地帯のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

赤線地帯(1956年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

売春防止法直前の吉原の風俗店、「夢の里」での5人の娼婦の群像劇。当時の性を含めた風俗の様子が伝わるという点だけでもかなり面白かったです。

ミッキーこと京マチ子のハマりっぷりがすんごい。飄々としているような、どこか超越した感じが観ていて心地良かったです。「八頭身やっ」。そうかな?

ミッキーにしろ他の4人にしろ、それぞれが抱えるストーリー自体はありきたりなものなんですが、それを作為性なくまとめ上げる力量が凄かったです。

まんま廓噺のようでもあって、どこまで現実に迫ってるかは分からなくもありました。いずれにしろ、お上をよそに冷ややかな庶民という構図は変わらず。演説打ってる主人の田谷の空虚さが良い。

永遠のテーマのような貧困と売春の有り様を、軽快さを以てテンポよく鮮やかに描き出した名作でした。
Jaya

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