馮美梅

最初に父が殺されたの馮美梅のネタバレレビュー・内容・結末

最初に父が殺された(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

少女ルオンの目線で物語が進んでいきます。

幸せな家族が、或る日突然住む家を追われ、田舎の親戚の家に身を寄せたものの、そこも出て行くしかなく、クメールルージュたちに捕まらないように逃避行を続ける。

しかし、結局逃げる場所なんてない。言われるがまま、移動を繰り返す。

新しい家は家とは言えず、着るものみは全て黒く染められ、長い髪は短く、共産主義を叩き込まされて行く。大人も子供もただひたすら労働力として働く毎日。

夜になって夜になると、密告による再教育とは名ばかりの体罰。

せっかく育てた作物も全てクメール兵達に持っていかれて、自分たちの口に入ることはない。大きな兄や姉たちはクメール兵になるべく連れていかれてしまった。

ひもじさの中でも、父と母は子供達のために食料を調達する。常に監視下に置かれている状態で、日々人が死んで行く。小さい子にはひもじさは辛い。

クメール兵に連れていかれた姉の具合が悪いと言われ、会いに行くが、当然医者などいないから、死ぬのを待つばかり。そして、姉が死に、人手が必要だと父が連れていかれた。

だんだん家族の栄養状態が悪くなってる。そして母は3人の子供たちにそれぞれ逃げなさいと、そしてルオンに父が残した家族の写真を渡す。いきたくないというルオンに厳しく諭す母。

途中まで3人一緒。そして、兄と別れ、姉妹2人見つかるが母の言われたことを話すルオン。何とか切り抜けて言われて着いた場所には、子供達が農作業しているところ。

労働や共産党教育などあっても食事はそれなりに食べられるみたいだ。

そして、姉との別れ。
どうやらルオンは兵士になるための施設に来たらしい。そして恐ろしい、地雷を埋める作業をさせられたり、銃の使い方を教えられたり、罠を作ったり、訓練の日々。

姉さんに会いに行くといいながら、母がいた家に戻って見たルオンだがそこにはもう誰もいない。母も末っ子も兵に連れていかれたと。そして戻って再び訓練の日々。

ある夜、襲撃される。姉を探すルオン。しかしそこに姉の姿はなかった。しかし、姉も兄も生きていた。久しぶりの再会。そして何とか、ベトナム軍の領地に入ることができた。相当サバイバル能力がついた子供達。鳥でも、蛇でも何でも食べる。

しかし、そこも安心できない。クメール兵たちの奇襲。子供達頑張れ!逃げる人たちはつぎつぎとじらいでしんでいく。自分が埋めた地雷だ。また1人になってしまうのか?しかし姉も兄も生きていた。そして上の兄たちとも再会。

やっと、ルオンの表情があの家を離れる前と同じような子供の表情に戻った。

本当に恐ろしい。思えばそんな遠くない時代の話。忘れてはならない話。この兄弟がどうやって生きてこれたのか。こういう作品は残酷だけど、小さい子供達に絶対見せるべき作品だと思う。
馮美梅

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