茜

ミュージック・オブ・ハートの茜のレビュー・感想・評価

3.9
実話を元にした、心がホッとするような優しいお話。

主人公のロベルタは、日本で言うところの肝っ玉母さんみたいな女性。
自分にとても正直で、たまに感情的でビックリするような行動を取る事もあるけれど、
中身は芯が強く逞しい女性なので、ロベルタの息子達や生徒達もそんな彼女に心を開いているのかなと感じた。

夫との離婚、治安の悪い小学校の臨時教師という新しい職場、子供達への指導もなかなかスムーズにはいかない。
それだけでも大変なのに、環境の変化で息子も反抗的な態度を取ったり、学校で問題を起こしてしまったりする。
色んな事を女手一人で抱えながら、それでもバイオリンに対する情熱を失なわず、全てに素直な自分で向き合うロベルタ。
そんな彼女が徐々に息子達や生徒達の信頼を得たり、彼女のバイオリンの授業が人気科目になったり、
挙句の果てには音楽の授業を切り捨てようとする教育現場にも立ち向かっていくなんてパワフルにも程がある。
しかもこれがノンフィクションなんだから、まさしく母は強しを体現したような女性。

カーネギーホールでのラストシーンも勿論素敵だったけど、個人的には全てのきっかけとなった一番最初の発表会がとても良かった。
初めは息子がバイオリンの授業を受ける事に反抗的だったスラム街に住むママが、ステージ上の息子を観て凄く嬉しそうだったシーンが良かった。
人が心を開く瞬間って本当いい表情してて心が温まるから好き。
茜