らくだ

南瓜とマヨネーズのらくだのレビュー・感想・評価

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)
4.0
ろくに働かず志ばかりが肥大化しているモラトリアムなミュージシャン志望のセイイチと、彼を養うために水商売や売春行為で生活費を稼いでいるツチダ。二人のいつ壊れてしまうかわからないようなあやうい共依存な同棲生活の中で、そこにふらりと現れたツチダの昔の恋人ハギオが彼女たちの生活に一石を投じてくる…というじっとりとした薄暗いラブ?ストーリー?本当にそこに愛はあるのか?映画です。

このろくでもないヒモミュージシャンのセイイチと、ヘラヘラと女性をゆるやかに食い物にするような女ったらしのハギオ、このふたりのクズとも言い切れないようなクズな質感がものすごく生々しくて、手のひらにねっとりと絡みつくようなおつらさがすごいんですよね…しかも顔が良い。顔が良いということは正義なので…
ヒモの方のセイイチはツチダが無理して稼いでいることを知ってからは少しずつまともになっていくんですが。この作品のキャラクターに共感性があるかどうか、というのは別としても、それに振り回されてかき乱されるツチダはかわいそうなのか、それともある意味では幸せなのか…と作品に心をかき乱されながら考えてしまいます。激しくはないまでも感情をゆらゆらと揺さぶっていくような作品です。


ツチダを愛人として囲おうとするおじさんがブルセラ趣味でスクール水着とか体操着着せたりしてくるの、絶妙にキモくてよかったです。お金のためとはいえ、大変だ…
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