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南瓜とマヨネーズのbluemomday0105のレビュー・感想・評価

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)
3.5
ライブハウスで働く27歳のツチダは、恋人の「せいちゃん」と一緒に暮らしている。無職でバンドを辞めたせいちゃんは家にずっといる。
ツチダは生活のためキャバクラ(なのか?フーターズみたいな制服の飲み屋)で働きはじめ、またそこで出会った男性と愛人関係になり報酬を得るようになる。
すべてはせいちゃんの歌が聴きたいから、せいちゃんが再び歌を作れるようになってほしいから。そんなツチダにも、忘れられない人「ハギオ」が心の中にずっと住んでいる…。

魚喃キリコ氏の絵が好きで、「ストロベリーショートケイクス」で映画原作ともども号泣した身としては楽しみにしてたんですが…。
いまひとつ入り込めないまま終わってしまった感じなのだけど、結局はツチダとハギオを受け入れるか否かで分かれてしまうのかもしれません。

これ以上の配役はないであろうオダギリジョーのハギオは素敵で、確かに雑踏の中でも目を引くこと間違いない。ツチダ役の臼田あさ美も、コミックスから出てきたような線の細くシンプルな着こなしの似合う美人さん。
でも「いい男とは気前のいい男、いい女とは機嫌のいい女」だと考える(受け売りですが)者からすれば、いい年してプラプラして、付き合ってる女の子を傷つけるような行いしかできないハギオには全く魅力を感じないし、ハギオやせいちゃんへの愛情が依存になり、自己実現を委ねるタイプのツチダも好きになれない。
無職なのにツチダが水商売してきたことにキレるせいちゃんがまだ許せるくらいに…カナコちゃんが一番好きかな。

単に自分が「リアルな男女の機微を感じとった恋愛」から遠ざかってるだけなのかもしれません…拳で解決するような映画のほうが親近感あるとか…。
ただ、ライブハウスでPAもできるほどのスキルあるなら当然音楽好きだと思うけど、ツチダの部屋からはあまりそういう雰囲気が感じられなかったな。リアルな感触の映画だから余計気になる。

後々に繋がる冒頭の断片的なカットや、鮮やかな赤色のモチーフ、喋り声とは違って甘い歌声のせいちゃんの歌も印象的。出会った頃のTシャツを見せ合うシーンは好きでした。こういうキビキビ働いて笑顔が可愛い女の子なら好きになるよね。
音楽担当がやくしまるえつこなのはクレジットで知りましたが、確かにグラドルが入ったせいちゃんの元バンドは劣化版相対性理論ぽさ…

ストロベリーショートケイクスで一番好きなのは、秋代が菊地の名前を口に出すところなんですが、この作品のツチダの「ハギオ」「せいちゃん」は猫が泣いてるように甘い。
こんな風に名前を呼べる女の子だったら、いろいろ違ってたのかな。
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