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放課後戦記のhorahukiのレビュー・感想・評価

放課後戦記(2017年製作の映画)
2.5
JKたちの放課後バトルロワイヤル!!
自称JKたちがイチャついたり、泣きじゃくったり、時々気が向いたら殺し合ったりとかして、2時間近くグダグタやるアイドルホラー。

ジョンキューザック主演の某映画の設定をパクった作品です。タイトル通り放課後にJKたちがバトルするお話なのですが、なんとも残念な出来…。ここまで堂々と劣化コピーした製作陣の漢気に拍手!

あらすじ…
いじめられてた友達から預かったハンカチを返しに放課後屋上に来た主人公のJK。そのまま居眠りしてしまい、気づけば夜。そして、なぜか校舎内には死体。しばらくウロウロしてたら、武器を持ったJKに追いかけられたり、別のJKが現れて助けてくれたり、何がなんだかわかんない主人公だったが…。

序盤は割と良かったんですよ。木々が鮮やかなピンク色に染まった独特な色合いの中、繰り広げられる血みどろバトル。かたやバット、かたや日本刀。アクションは酷いもんですが、うま〜く撮影と演出で誤魔化してて、「お!案外面白いんじゃね?」とか思ったけど、そこがピークでした。

大筋としては、JK10人ちょいが変な異空間に閉じ込められて、最後の一人になるまで殺し合いをしないといけない的な物語。冒頭、現実よりも遥かに大きな月で空間がズレてることを映像だけで観客に伝えるのは幻想的な雰囲気もあって良かったし、善玉っぽいJKたちが力合わせて異空間からの抜け道を探そう的な展開も好きなんだけど、それも序盤だけ。

その後は、中途半端な百合要素だとか、アイドル?にしてはちょっと頑張った百合要素だとか、全くもってどうでも良い百合要素だとかでお話が進んでいきます。男はひとりも出てきません。グロも特に…。

主人公たちがいる空間は何なのか、どうやったら出れるのか、なんで殺し合いをしないといけないのか。中盤で種明かしするんですけど、早めの種明かしが良い方向に働いてるとは思えず、興味が削がれていく一方。

再生物語というか、今まで現実から逃避し続けてきた自分からの決別を描きたいのなら、自身の手で全部やんないといけないんじゃないのかな。これだと結局周りに助けられてるだけで逃避からの決別なんてできてないじゃん。むしろ今まで通り。

原作は舞台のようですが、舞台の方は案外面白いのかもしれないですね。映画にするメリットとしては、映像にどれだけ拘れるかだと思うけど、序盤以外は特に惹かれるとこもなかったし、舞台だけやっといたほうが良かったと思います。同じくJKバトロワの『ミスミソウ』と同日公開だったため、どうしても比べられてしまうと思いますが、これ見ると『ミスミソウ』の凄さが良くわかりますね。
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