B5版

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のB5版のレビュー・感想・評価

3.0
ウクライナのゼレンスキー大統領が以前行った演説、この時のチャーチルを踏襲したものらしいですね。
欧州の人には今も強く記憶に残る人物なのでしょう。

ナチスとの講和への是非についてだが、
別派閥の「独裁者とわかっていながらヒトラーという人物をはかりかねていた」というのは余りにも暢気な描写で歴史家からツッコミが起きてそう。
ユダヤ人虐殺などもっと後々分かるものとしても、侵略者が隣人にいるのに宥和など何をバカなと思うのだが、これは歴史の後に生きているからだろうか。
チャーチルの世界史史上最悪の人間をいち早く危険視した慧眼、という描き方を脚本家がしたいがためにわざわざ他の登場人物を馬鹿にした感じもあって正直のれなかった。
全体的に勝利することを知っての逆算思考のような感じ。

記憶に残る過去の大敗。
これは最良の道なのか示してくれる人は誰もおらず、隣国は斃れていく。
どうすれば?
迷っていても、分からなくても選択の時は必ず来る。来てしまう。
そんな彼の葛藤のシーンは良かった。
答え合わせ的にノーラン監督の「ダンケルク」を観ると面白そう。
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