minorufuku

はじまりのボーイミーツガールのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

フランスで暮らす12歳の少年が主人公。彼は優等生の女の子に恋心を抱きつつも、自身が落ちこぼれであるが故に声をかけることすら戸惑っていた。ある日、彼女は少年に勉強を教えると申し出てくる。舞い上がる少年であったが、彼女には少年に近づく目的と秘密があって…という話。

久々に心が洗われるような純粋な気持ちになれる映画。
内容はもうこの歳になると恥ずかしくて見ていられないような初恋話なのだが、主人公の男の子が健気で一生懸命なのでガチで応援しつつエンディングまで観てしまった。女の子のほうは大人びているもののそんなには可愛くはない(^^)のだが、打算的で小悪魔的な側面と、悲劇的な運命に負けず、いじらしく振る舞う部分とのギャップがとても輝いて見えた。2人で学校生活の苦難をクリアしていく様子は微笑ましくて観ていて楽しかった。
チェロ奏者として音楽院受験を目指すヒロインだが、ある理由から両親に入学を反対されている。それを主人公とその友人たちがサポートし、強行手段まで持ち出し、ついには反対する頑固な父親の心を動かし、受験にこぎつける。試験の場面は完全にヒロインの両親になったような気分で演奏を見守ってしまった。
最後の演奏シーンはヒロインの視点となり、チェロを弾きつつ観客席にいる主人公、両親、友人らを眺めるのだが…もう涙なしでは語れない。笑顔で演奏を続ける主演の女優の演技は圧巻。結局、試験の合否やその後も分からない結末なのだが、ここまでたどり着いたことに意味があると思わせてもらえる作品だった。
夢を追う子供たちの視点だと、どうしてもヒロインの父親らが分からず屋の悪役になってしまう。でも、親の立場からすると娘の身を本気で心配しての行動なので、その辺りは大人が見ると複雑な気分になるかもしれない。でも、良い映画。

ライバルの男の子だけはやはり悪役かなあ。でもイケメン。
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