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勝手にふるえてろのろのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
4.9

ワタシ、透明なんだ
生き抜く術を教えてよ


過去にすがり、何度も反芻する。
自分から拒絶したくせに、連絡の有無を気にする。

ああ、他人事とは思えない、酷似。
一つ一つの行動が、考えが、もう手に取るように分かる。
特に「アンモナイトの歌」以降、さめざめと泣いた。

邦画ってこんなにエンドロール、短かったっけ。
とても足りなくて、場内が明るくなってもしばらく動けずにいた。


24歳OLヨシカは10年間絶賛片思い中。
そんなある日、会社の同僚に告白される。

イチか、ニか

憧れはね、所詮ただの憧れなの。
いくらカッコよくても、いくら話が合っても、それはマボロシよ。
この痛み、私も味わったから。
ヨシカと全く同じ理由で諦めたから。
涙が止まりませんでした。


あんなに大事にしていたアンモナイトを、
少しぞんざいに扱うようになった時点で、
あ、もう分厚い殻に閉じこもるのやめたんだな、って。


雨でぐちゃぐちゃになりながら
「ワタシのこと、どうせ本気で好きじゃないんでしょ」
なんて、面と向かって言えるようになるまでには、まだまだ時間が掛かるけれど、少しは浄化されたような気がします。



それにしても、ニは、いい。
傷つけられてもめげず、それでも好きだ。
率直で、まっすぐで、いい。

一番好きだったセリフ、
「可愛すぎてこのまま抱き上げて振り回したいけど、また引かれたら嫌だから、感情を押し殺します」

少なくとも一週間は私の中でブームだと思う。
とりあえず公式サイトでキャラクター動画ニ編を観まくりますね。
(すでに5,6回みてる)


劇場で鑑賞する恋愛モノはこれが初めて。
最前列での鑑賞も初めて。

よかったです。
ろ