140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューションの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

4.4
【塗り替える】

アニメ放送版の「エウレカセブン」を毎週日曜の朝から楽しみに見ていた時期があった。本作はそのリブートでありエウレカバースのような再改変。アネモネとドミニクの物語として、アニメ放送の「バレエメカニック」はオールタイムベストなエピソード。それがリブートされたのかというと、また違う。「エウレカ」という力を使って、「エヴァンゲリオン」や「ゴジラ」や「ガメラ」やその他多くのアニメに成り代わろうとする嫉妬の波に乗った恐怖因子が「エウレカ」なのではないかと思ってしまった。

冒頭のシークエンスがクライマックスのブースターになったり、画面のアスペクト比を弄って魅せる現実世界と仮想世界の表現、何よりアネモネの死別した母や父を巡っての抗いや仮想世界への突入は、ロバート・ゼメキスの「コンタクト」のような柔らかなSF映画の質感や、「シンゴジラ」における虚構生命体と現実兵器の攻防の構図から見られる恐怖感のあるSF、さらに終盤に顕在する「ゴジラvsガメラ」のような成り代わられたような怪獣バトル。Hot Fashion~情報過多~なドライブワールドに、少女期という瑞々しさがトッピングされたり、嘆きや叫びがブーストすることで、物凄いモノを見たのだと、物語の途中にも関わらず胸の奥から湧き上がる高揚感に浸らせてくれた。