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ドラゴンへの道の小のレビュー・感想・評価

ドラゴンへの道(1972年製作の映画)
4.6
新宿ピカデリー9周年企画「ブルース・リー4夜連続上映」の3夜目は『ドラゴンへの道』。毎回始まる前に10分程度、関係者の方が裏話を紹介する時間があったのだけれど、本作の上映日はブルース・リーの命日ということもあって、その方の提案で黙とうしてから鑑賞。これで、ブルース・リーが枕元に立つことはないそうなので。

『ドラゴン怒りの鉄拳』でブルース・リー完璧とか思ったけれど、本作はもっと凄かった。逆三角形のムキムキ背中を見せつけられスゲーと思っているところに、二刀流ヌンチャクで、またスゲーと。

闘いにおける流れるような動き、誰も止められないスピード、技のキレ味、とにかく強い。思い出したのはルパン三世の石川五ェ門。ブルース・リーは斬鉄剣が体に同化した五ェ門みたいだ。

『ドラゴン怒りの鉄拳』は寄りの映像が印象的で迫力満点だったけれど、本作はどちらかといえば、引いた映像でブルース・リーの動きにほれぼれする感じかな。それから、前2作はやたらと人を殺すけれど、本作は無闇に殺さない。だからか、正義のヒーロー的雰囲気が漂いカッコイイ。

内容を簡単に。美人中国人女性がイタリアで経営する中華レストランが、地元マフィアの地上げにあい困っている。そこにやってきた我らがブルース・リー扮する主人公が、悪者のマフィアをなぎ倒す。歯が立たないとみたマフィアが雇い入れたアメリカ人空手チャンピオンとのローマ・コロッセオでの対決がクライマックス。対決後のラストシーンがまたカッコ良くて自分は好き。

今のところブルース・リー映画の中では一番好きかも。『燃えよドラゴン』はさらなるエンターテイナー性を見せつけてくれるけれど、ハリウッドの俳優さんの時間がそれなり長い気がして、もっとブルース・リーが観たかった感が…。

鑑賞後に知ったのだけれど、監督、脚本はブルース・リーなんですね。ひねりの少ないストレートなストーリーで、わかりやすく正義の味方のブルース・リー。自ら手掛けるデキ過ぎ感だけど、ここまでくると、あばたもえくぼ。ただただカッコイイ。

●物語(50%×4.0):2.00
・ブルース・リー自ら、自らを格好良く描く。まさに『ドラゴンへの道』的なラストが好き。

●演技、演出(30%×5.0):1.50
・「全身これ鋭利な刃物」って、あるプロレスラーのことをそう表現したアナウンサーがいましたね、そういえば。

●映像、音、音楽(20%×4.0):0.80
・音楽のテンポが良かった気がする。

●お好み加点:+0.3
・やっぱり、ブルース・リーなので。
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