Rocko

あさがくるまえにのRockoのネタバレレビュー・内容・結末

あさがくるまえに(2016年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

脳死という重いテーマを美しい映像と音楽で綺麗に仕立てながらもドナーやその家族だけでなくレシピエント側のドラマも現実的に描いた良い作品でした。

フランス、ベルギーの合作とのことでよくあるフランス映画のように淡々と進んで行き、感動を押し付けて来たりはしない。
が、美しさを意識し過ぎではないのか…

脳死になるぐらいの交通事故でも遺体が映るシーンでは傷一つない。
ERやグレイズ・アナトミーを長年観てきた私には違和感が…
なのに移植シーンだけはやたらと臓器をアップに長々と見せつける。
言葉でなく心情や展開を映像で見せるんだという優等生を気取った作品に思えて来てしまい、後半ダレてしまいました。
ヨーロッパ映画にしてはクセが強くなくて見やすい作品だと思いますが。

脳死については大学時代に書籍を何冊も読み哲学のレポートでは友達の分まで書いて2つAを貰ったこともあるので、作品から学ぶことも特になかったです。外国に比べ日本はドナーが極端に少ないので映画のようには行かないかもしれません。
重いテーマと覚悟して観たら肩透かしを食らってしまい、現実はもっと不幸だろうな…と何とも言えない気持ちになりました。

臓器移植を扱った作品では『21g』の方が好みでした。

2020年30作目
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