らくだ

ボヘミアン・ラプソディのらくだのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.0
世界的な伝説のロックバンドQueenのボーカル、フレディ・マーキュリーのミュージシャンとしての輝かしい軌跡を、彼のバイセクシャルであるという苦悩やスターとなったがゆえに振り払えない心の闇と戦いもがく姿と重ねながら追いかけていく…という、ドキュメンタリーや伝記ではない、1人の男の壮絶な人間ドラマです。


当然ながらぼくは本物のQueenはほぼ観たことがないのですが、フレディを演じるラミ・マレックを中心に、画面や音、映画全体が作り出すものすごいエネルギーの熱が、圧倒的な説得力・圧力となってこちらに浴びせかけてくるんですよね。特にクライマックスに持ってくるライブエイドでのパフォーマンスはもう最強すぎる…「これを実際に聴いていた当時のQueenのファン」の気持ちを少し追体験できたような気がします。
そして、世界的なスターとなった、なってしまったフレディは「世界的なミュージシャン」としてのみ歓迎され、「一個人」としての自分を誰にも見てもらえない…という孤独の闇に囚われてしまうのですが、この物語はそんなフレディが自分の強烈な光によって生まれてしまった胸の中の深い闇に手を伸ばして、自分の輝きではない暖かな日の光の下でほんのりとあたためてあげる、そんなお話なのかなぁと思いました。本当は彼を孤独にはしない人に囲まれていたんですよ…
なので、このライブエイドが彼にとっての本当のスタートだったのかもしれません…それを奪った病とかいう空気の読めない野郎…許せねぇ…


あと、ぼくはQueenはベストアルバムに入っているような超有名曲しか知らないにわかなのですが、この作品では本当に、詳しくなくても誰もが聴いたことあるんじゃないか?!っていう曲だらけで、本当にこのバンドがすさまじい存在だったんだなぁと改めて思います。曲に力がある
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