⚪概要とあらすじ
鬼才ラース・フォン・トリアーを親類に持ち、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された「母の残像」などで注目されるノルウェーのヨアキム・トリアー監督が手がけたホラー。
ノルウェーの田舎町で、信仰心が強く抑圧的な両親の下で育ったテルマには、なぜか幼い頃の記憶がなかった。そんな彼女がオスロの大学に通うため一人暮らしを始め、同級生の女性アンニャと初めての恋に落ちる。欲望や罪の意識に悩みながらも、奔放なアンニャに惹かれていくテルマ。しかし、やがてテルマは突然の発作に襲われるようになり、周囲で不可解な出来事が続発。そしてある日、アンニャがこつ然と姿を消してしまい……。
⚪キャッチコピーとセリフ
“少女の中の願い(タブー)が目を醒ます”
「とても きれい」
⚪感想
ホラー作品。
ホラーというかファンタジーというかスリラーというか。
始まりの掴み。
この演出は一気に心を鷲掴みにされた。
アメリカとはまた違った作風。フランスの作品かと思ったら合作のようで。
フランスのくせの強さとなんかよくわからんけど惹き込まれちゃうこの感じ良い。
基本ゆっくり進むんだけど惹き込まれてずっと「どうなるんだ」と気になりながら観てしまった。
冒頭に注意書きも出るように光の演出で目が死ぬ。チカチカのシーン眩しすぎて隠しながら観た。
つい最近みた『キャリー』と似たような空気感。
ちょこちょこ細かい演出というか伏線のようなものもあって面白かった。
テルマの両親を演じていた俳優さん見た事あるなと思ったら『ブラインド 視線のエロス』に出演されていたかただし、脚本と監督を務めた方が今作にも携わってるのね。どちらも割と好みだったのでその人のお陰かも。
⚪以下ネタバレ
かなり驚きだったのが主人公テルマの能力。最初の感じでテルマの能力は人を移動させるor消すことができるだと思っていたけどまさか望んだこと全て思い通りにとは。
全てのことが望んだままに行われる訳だけど今作ではかなりネガティブに描いているように見えた。それでもラストは彼女の思い通りで父は消え、母は足が治り、自分は大学へ、アンニャは彼女に。
冒頭の父親がテルマに銃口を向けるシーンゾッとする。
そもそもテルマの両親が愛情を込めて接していればこんなことにはならなかったと思う。母親がテルマの弟ばかりに愛情を注ぐからテルマは弟を消し去ってしまうし、なんでもキリストと薬に頼りテルマを抑圧したからこうなったのでは。
何かと娘に干渉し、把握したがる両親を気持ち悪く思ったけど能力が開化するのを恐れていたという面白い演出。
結構弟も父も戻ってこないのはそういうことなんだろうけどおばあちゃんは旦那さん願えば戻って来ると思うんだが。
父親が火に炙られたり、母の足が直ったりとキリスト関連の演出が面白いけど知識なさすぎて詳しくは分からないものもあった。
⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。