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ミスター・ガラスのbackpackerのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.0
M・ナイト・シャマラン監督のスーパーヒーロー(コミックス)三部作の完結編。『アンブレイカブル』『スプリット』『ミスター・ガラス』からなる足かけ19年に及んだシリーズ(大半は休眠状態でしたが)は、シャマラン版『アベンジャーズ』と言える本作にて、ひとまず完結。過去作に登場した超人たちを一堂に会し、「超人(スーパーヒーロー)は精神疾患を抱える者の妄想なのか、それとも実在するのか」という物語に、終止符を打ちました。

多くの場合、シャマラン作品に期待される〈伏線回収〉と〈どんでん返し〉は、本作でもあるにはありますが、あまり効果的に用いられているようには見えません。
特に、超人性を際立たせたい終盤のバトルシーンにて、躍動感・疾走感が欲しいシーンなのに、動きの少ないロングショットを使ったりするものですから、流れが悪く見ていて鈍重に感じます。
これは、最後のどんでん返し(って言えるのかな?)のために必要なカットだからあえてそうしてるんですが、かえって見づらくしているだけではないでしょうか?(MCU式アクションシーンノウハウをたっぷり見てきてしまったことも、厳しく見てしまう一因ではあると思いますが。)

とはいえ、MCUが牽引するスーパーヒーロー映画が、世界の娯楽とカルチャーの巨大市場を席巻する前から、アメリカン・コミックスをベースにした世界観を生み出し、それをコツコツ発展させたシャマラン監督は、偉い!(何様)
一時期は、多方面からブツクサ言われて、変な感じに拗れてしまいましたが、『OLD』等でまだまだ気を吐いてるわけですし、これからも頑張ってほしいですねぇ。
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