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BPM ビート・パー・ミニットのBeSiのレビュー・感想・評価

4.6
この作品を作った監督自身も携わった、エイズ感染者に対する不当な差別や扱いに対して現在も抗議を続ける少数派団体"ACT UP"の活動と、それに関わる若者達の人生をドキュメンタリー風かつエモーショナルに綴る。まだエイズやジェンダーについての関心が少なく、否定的な意見が蔓延する1990年代初頭のフランス・パリのリアリティある不条理な情勢が鮮明に描かれていた。フランスを含むヨーロッパ地方でこそ、今は感染者が20万人と決して少なくはない。そのうえ今作にあるように、舞台はエイズについての正しい認識が広まってない1990年初頭のフランス。そこで形成されるマイノリティは、"弱者"として周りから思われてもおかしくない。そんな彼らが掲げたこのスローガン。"沈黙(Silence)=死(Death) 行動(Action)=生(Vie)"は、生きたいと願う若者達の心から訴えだと身に染みて感じた。日本でも点在するエイズ患者。それは決して他人事ではないという事を教えてくれる秀作。
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