140字プロレス鶴見辰吾ジラ

映画 中二病でも恋がしたい Take On Meの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

4.0
【Fuck the world】

「中二病」という軽々しく使われる夢見がちな気持ちを捨てられない衣を纏った浅はかな精神を馬鹿にして描いた者ではない。本作の中二病は過剰な演出があるが、世界を受け入れられず、世界に受け入れられなかった者の悲しみの逃げ場として受け入れ先として描かれている。

“セカイ“を捨てて“世界“に帰属するか否か?「愛しています」を「月がキレイですね。」と洒落た言いまわしなんかできない者たちへの讃歌だ。

愛は
心を受け入れること

ヒロインはガチモノの病気のように過剰に描かれる、いや実際そうなんじゃないかと思うが、それを一般に帰属させることは正しいか?それを受け入れることは美しくないのか?

エンジェルウォーズ 
エンジェルランナウェイ

世界なんてクソ喰らえ!だ。

世界から愛されないなら愛されなくてもいいんだ!と啖呵を切れるくらい自分に正直になりたいものだが、それが出来ぬようプログラムされた社会に生きるからこそ、本作のような過剰な演出や虚構の具体化がアニメーションとして正解なのだと思う。

俺たちに明日はない?
ボニー&クライドよ
俺たちを受け入れる明日に
ともに歩んでいきたい…

セカイが指輪という世界によって拘束される言い換えや、現実側と非現実側のシビルウォーと、北の大地へ母を訪ねるスカイフォールと…

一般からすれば何を言ってるのか伝わらないが、伝えあえる存在が「月がキレイですね。」を別の方法で通じ合わせる行為の反復についつい心が高鳴ってしまった。ゴダールだか、フェリーニだか知らないが、僕らにしか通じ合えない言葉で繋がれる道を模索する価値がないなんて言わせない。