ハンガリー産ループもの。
ループもの後進国なのか、あまりにグダグダすぎる。
1周目、2周目、3周目でそれぞれループの定義が変わっていて、もはや悪夢感すらある。
B級ループものとして、『Volition』が近いかも。
まず、とりあえずの定義と思われるのは、「意識」だけが過去の自分の体に戻る系ではなく、「体」が戻る=過去の自分がいる=タイムスリップ系だということが、2周目の最初にトラックに乗っている自分を見たことでわかる。
ここで、すでに定義があいまいで、最初アンナとぶつかるまでは1人だったものが、トラックに乗る選択をした場合と助けに戻る場合で分岐(分身)したように見える。
そして、1周目からわかっているように、それよりも前の自分がすでに来ているということ。(1周目からすでにデジューは怒っていて、原因は他の(3周目で見られる)アダムの行動、など)
それにより、”決定論”的な世界観でループは回っており、”自由意志”を持ってそのループから出ることが必要になる。
簡単に言うと、アダム1、アダム2、アダム3、アンナ、デジューの5本が常に同時系列の中にいる、という構造。
(2周目の最初のように、(分岐によって?)人が増えるのなら無限に増えていく構造だけど、これらの構造を無理やり補完すると、おそらく「アダムの定員は3」という条件がある。
1周目は23_①(2と3はすでにいる)、2周目は3_1②、3周目は12③、で、4周目以降は必ずループから出てるのか消えるのか、とにかくいない。)
そして、ややこしいのが、アンナとデジューが「ループ後に」死ぬという、彼らも少しループしているという構造。
5人を紐だと考えると、アンナはループ後の世界にVHSを持ち込みアダム1と会って轢かれて紐が終わる。
デジューはループ後、アンナを轢いた後、洗車中にアダム2に殺される。
つまり、ループ後死ぬまでの間はそれぞれ2人いることになる。
(輪が1.1周みたいな、少しだけ被ってる、)
こう捉えると、アンナとデジューは常に既定路線1本で、その間の行動がアダム1アダム2アダム3の視点で補完されていく。
問題なのは、
アダム3のときにアダム1とアダム2がごちゃ混ぜになって描写されていて、
スクーターアダム(アダム3)の視点では事故後の行動はトラックアダム(アダム1)だけで、アダム2がいない代わりに医者が来たり、
その割に洗車中にデジューをやるアダム2は普通にいて、尾行しているうちにいつのまにか病院の廊下から飛び降りるアダム1になったり、
どうもアダム1と2の行動から都合のいいところだけ摘まんで、1人として扱っている感じ。
また、父親が留守電を吹き込んでいる最中にアダム1が現れるところに割り込んだり、その割に階段のところでアダム1と鉢合わせそうになったり、その割にはアダム1は既定路線の父親から駐車場出口付近の喫煙所でキーを受け取るイベントやってるし(つまり、1周目も3周目も、アダム1怒られ→アダム3で親父車貸す決心、をやっているはず)、
アダム2よりも先に留守電を入れる前のアンナを捕まえたり、既定路線からは外れているのだけど、運命の拘束力なのかなんとなく同じようにことになってる。
そのあとにエレベーター前で鉢合わせるデジューがおそらく何も知らないまっさらなデジューなんだけど、つまり、ここでの銃で脅してIDを奪うなどのやり取り会話が、そもそものアダム1が殺され、アンナが病院からアダムの部屋へ連れていかれた原因なんだけど、おそらくこれは既定路線で毎回このようなことから、デジューがアンナを連れてアダムの部屋に来ている。
親父は、ボケてて2回同じように留守電を入れようとしてアダム1アダム3がそれぞれやってきたと考えることもできるけど、アンナは留守電を入れる前にアダム2から取り上げられているし、明確に父親の車をアダム1から奪うし(そのあとの殺される役も)、そのあとは何よりVHSが破壊されるので既定路線から脱出したことが示唆されている。
しかし、アダムの家のバスルームでアダム3に殺されるのはアダム2で、トラックで逃げたり、アンナのせいにしてデジューから逃げようとしたアダム1は、おそらく病院で車が借りられなくて足止めを食らってる。
その後、ループが起こらず、アンナもVHSを持って出ることもなく、その後の世界、親父に借りた車のところにレッカーが来る世界に続いていくんだけど、デジューがVHSを破壊してくれたからループから出られたのでは!?