タケオ

ハッピー・デス・デイのタケオのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)
4.0
本作がホラー映画史において、全く新しい定型を生み出した革新的1作であることは間違いない。しかし、従来のホラー映画に対するカウンター意識から制作された『スクリーム』(86年)やホラー映画というジャンルそのものを相対化してみせた『キャビン』(11年)とは異なり、本作は「映画というポップカルチャーそのもの」に対する溢れんばかりの愛によって完成された奇跡の1本である。主人公のツリー(ジェシカ•ローテ)がホラー映画なら真っ先に殺されるであろうビッチキャラという時点で既に斬新だが、案の定すぐに謎の殺人鬼に殺害されたかと思ったら『恋はデジャヴ』(93年)よろしくタイム•ループに巻き込まれるというまさかの超展開には度肝を抜かれた。何度も何度も殺されながら、殺人鬼の正体を突き止めタイム•ループを抜け出そうと奔走するツリー。次第にそれが彼女の成長へと繋がっていく展開も違和感なく楽しめる。『ラ•ラ•ランド』(16年)でミア(エマ•ストーン)のルーム•メイト役だった彼女が、まさか新時代の「絶叫クイーン」になろうとは思いもしなかった。それほどまでに、本作のジェシカ•ローテは最高にチャーミングで魅力的。笑いと絶叫、そして爽やかな感動が凝縮された、新時代を代表する傑作エンターテインメントだ。