メイプルわっふるG

アトラクション -制圧-のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

アトラクション -制圧-(2017年製作の映画)
3.0
鑑賞 2020.10.15 ザ・シネマ

巨大な球体がロシアに落下。異星人とのコンタクトは失敗。封鎖した政府に対し、煽動された住民は暴動を起こす。

天球儀やジャイロスコープのような造形がかっこいい。三葉虫の化石みたいな形状も好き。
そしてパワードスーツは浪漫。今作は大量の繊毛で皮膚を侵食しながら着込むタイプ。メイン機の手足は白系、量産機は黒系と見分けやすい親切設計。
他にもパーツや"死のない世界"など、異星人関連については目で楽しめて面白かった。

地球上にない意匠はセンスと想像力の賜物。作品として残るのはデザイナーとしてはラッキー且つ名誉だろう。こちらも時代ごとの流行・傾向が知れて面白嬉しい。

ラップもどきやタギングなど欧米アクション映画のようなノリもある。今のロシアでは普通のことなのかな。古い共産圏だとラクガキ程度でも命懸けなイメージがあるのだけれど。偏見か。
ライブの曲とノリが合っていないのは撮影のせいと思われそうだけど、外国人のノリってそんなもん。フェスなんかでも自由気まま好きなように動いている。ギャやオタ芸の一体感は日本の文化として指定しても良いと思う。

宇宙船の落下時の歌が「野ウサ~野ウサ~」と聞こえてしまい災害シーンが微妙に楽しいものに(私見)。
そもそもビルてっぺんにいたピンクニット帽の娘が主人公だと思っていた。冒頭で顔認識していなかったし。てっきり宇宙船に吸い込まれて異星人と意思疎通するようなお話かと。

ちなみにピンクニット帽の彼女以外、まともな登場人物があんまりいない。まぁ彼女も授業中のお喋りがひどいのだけど。
同情するなら、ヒエラルキー底辺扱いのオタクくんと、厳格すぎて反抗されまくりのパパか。

軍のトップ(政府?)は立派なところを見せた。現場に全委任して責任は自分が取るって、上司の鏡か。とはいえ、こんな事態になったのは撃墜したせいだから相殺か。
ただ、その孫娘はとても良い子。ソファで仮眠してた超過勤務のお祖父ちゃんに抱き寄せられ、嫌(臭)がらずに素直に身を委ねる。出来た子だ。

勘違いしてたこともあり見返したところ、初回スルーしていたシーンがそこかしこ。
クラスメイトが一般大衆シーンで何気なくいたり。
過激思想の若者グループがビル屋上で逃げ惑っていたり。
というかアジア系顔のパイソンがデカ過ぎ。他メンバーが子供に見えるくらいの身長差。

登場人物への共感は無理だけど、水資源の大切さはむしろもっと強調しても良かったかも。作中で水の配給方法がいい加減だったのは、作品としてなのかロシアクオリティなのか。本気で判断つかなかったのが怖い。