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トップガン マーヴェリックのYYamadaのレビュー・感想・評価

4.3
【アクション映画のススメ】
トップガン マーヴェリック (2022)
◆ジャンル
スカイアクション
◆類似作品
・スターウォーズ (1977)
・クリード チャンプを継ぐ男 (2015)
・オンリー・ザ・ブレイブ (2017)

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリックが教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。
・その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが…

〈見処〉
①このミッションは生還の可能性ゼロ。
 誇りをかけて、飛べ——
・『トップガン マーヴェリック』は、2022年に公開されたアクション映画。
・トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた1986年公開の世界的ヒット作「トップガン」の続編として製作された本作は、『オブリビオン』のジョセフ・コジンスキーが監督を務め、『ミッション:インポッシブル』シリーズの監督や『ユージュアル・サスペクツ』の脚本家として知られるクリストファー・マッカリーが脚本に参加するなど、トム・クルーズの全幅の信頼を受けるスタッフが終結。
・トム・クルーズとヴァル・キルマーが前作に引き続き出演。『セッション』のマイルズ・テラーが相棒グースの息子ルースターを演じ、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス、ジョン・ハム、グレン・パウエル、ルイス・プルマンが出演。

②困難を極めた続編製作。
・本作主演のトム・クルーズにとって、前作「トップガン」は、自らの大出世作。作品の出来を非常に気に入り、続編製作による価値が低下を恐れたクルーズは、自ら続編製作権を買い取り、長く続編製作の企画は進行しなかった。
・2008年に一度企画化された後の、2010年には、配給のパラマウント映画がジェリー・ブラッカイマーとトニー・スコットに対して、『トップガン』続編製作を提案し、企画が始動。
・その際に、クリストファー・マッカリーが脚本執筆のオファーを受けたが、そのストーリーは、ドッグファイト時代の終焉と現代の空中戦におけるドローンの役割に焦点を当て、トム・クルーズが演じるマーヴェリックの役割は小さなものになると報じられていた。
・しかしながら、2012年のトニー・スコットの自殺により企画の進行が疑問視されたが、クルーズとヴァル・キルマーが続編に高い関心を抱いていたこともあり、ブラッカイマーは企画に残留させた。
・2017年6月、クルーズは続編映画のタイトルが「Top Gun: Maverick」であり「飛行士が帰ってきた、スピードが必要だ。我々は大きくて速いマシンを用意するつもりだ」と語り、ジョセフ・コシンスキーが監督を務めることが発表された。
・2018年8月には、ヒロイン役にジェニファー・コネリーを発表。彼女が演じるペニー・ベンジャミンは、前作の会話のなかで登場した「司令官の娘」として配役され、前作ヒロインのケリー・マクギリスには出演オファーはしなかった。
・また、同年8月には、前作でアンソニー・エドワーズが演じたグースの息子役の候補者としてニコラス・ホルトとグレン・パウエルら3人に対して、トム・クルーズの自宅で演技テストを行いマイルズ・テラーの起用が決定。パウエルは別の配役「ハングマン」にて本作に出演している。
・2018年5月からサンディエゴで撮影が開始され、2019年6月に主要撮影を終えたが、当初予定していた2019年7月の公開には間に合わず、2020年6月に延期。
・しかしながら、2020年には新型コロナウイルス感染症の流行が収束しないことから、同年12月公開に再延期されたが『TENET テネット』など同時期に公開された作品の苦戦を受け、その後、幾度もの延期を繰り返した。
・その期間中には、NetflixとApple TV+が配信権購入を試みたが、パラマウントは拒否。2021年11月についに、本作が2022年5月に日米同時公開されることが決定したが、前作から36年、企画化から12年、撮影終了から3年が経過した、難産の作品となった。

③結び…本作の見処は?
トム・クルーズ最高傑作にして、ハリウッド続編映画の最高峰作品。
◎:「現代娯楽映画の最高峰作品」…大味だった前作に対して、人間ドラマを大きく加えた非常に良く出来た脚本となっており、『ユージュアル・サスペクツ』を手掛けたクリストファー・マッカリーが現代の映画脚本の進化を見せている。
◎: 「続編映画の最高峰」…暁色のフィルム質感に、戦闘機の飛行シーンのバックで流れる「Danger zone」。冒頭1分で本作がトップガンの正統な続編であることを証明。
◎: また、前作でグースがピアノで演奏した「火の玉ロック」を弾く姿と息子のルースターを重ねる場面や、アイスマンの現況を語る場面など、36年経過して創られた続編に意味を持たせる展開が涙腺崩壊を招く。
◎: 前作と韻を踏む演出も見応えあり。マーベリックの初登校、浜辺でのラグビー、ハングマンとルースターの関係性など、前作ファンが喜ぶ展開が心地好い。
◎:「フォースを使わないデス・スター破壊」…まさにミッション・インポッシブルな戦闘機シーンも、前作アクションを大きく上回る。最新鋭の戦闘機に勝てる筈はない…というツッコミを忘れるほど、超ド緊迫なシーンの連続となる。まるでジェームズ・キャメロン作品のような「畳み掛けアクション」が展開される。
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