河豚川ポンズ

ハード・コアの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

ハード・コア(2018年製作の映画)
3.2
不器用な男が真正面切って世界と戦う映画。
もう最後がいつか分からないぐらいには久しぶりに映画館で邦画を観た。

極右団体の構成員として徳川埋蔵金の発掘をしながらその日暮らしをしている右近(山田孝之)。
エリート商社マンで弟の左近(佐藤健)とはまるで正反対の暮らしぶりだ。
偶然その仕事で一緒になった、何らかの事情で言葉を発することのできない牛山(荒川良々)を、右近は同じ社会の除け者だと感じて、どうにも見過ごせず助けるようになる。
牛山が住むのは山奥の廃工場だか、ある日そこで謎のロボットを見つける。
よく調べてみようといじっていると突然動きだし、そのロボットにまたもや何らかの繋がりを感じた右近は彼を「ロボオ」と名付けるのだった。

オチは想定外も良いとこだったけど、何となく言いたいことは分かるような気がする。
何というか明確に言い表しにくいけども、世の中生きてて自分の中になんか嫌な感情が出てくるんですよね。
そういうのを右近は我慢できないタイプで、しかも自分に正直に生きたいと思ってるから、即行動に出てしまう。
でもこれぐらい正直に生きられたら悔いも無いだろうとは少し思えてくる。
だからもしかすると、こういう“バカ正直”に生きることの強さとか、情みたいな人との繋がりとかそんな事が伝えたかったことなのかも。
その解釈でいくとラストに救いが無いと思えるけど。
とにかく何だか言い表しにくいモヤモヤが多かった。

山田孝之、荒川良々、佐藤健で、もはやお釣りが来るほどキャストの豪華ぶりだから、演技力とかそこら辺の心配は全くなかった。
二枚目三枚目と、たぶん日本の俳優のなかではトップクラスで固めてきてるし、逆によく集めてきたなと思った。
でも松たか子は5分で出番が終了したのでキャスト欄に書くなよ!ってなってた。
むしろヒロイン(と言って良いのかよく分からないキャラクターだったけども)は石橋けいだった。

良いか悪いかで言うなら別に良くはない。
でも原作の漫画も読んでないから、実写化したからダメになってるのかも知れないし、そもそもそういう漫画なのかもしれない。
何にせよ、わざわざそれを確かめてみようとは思わなかったけど。
でも何か頭の奥に残るような感じはあるかも。