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スターリンの葬送狂騒曲のabeeのレビュー・感想・評価

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)
3.3
【ridiculous or crazy ≠ funny】

うーーん、思ってた感じとは違ったなぁ。
「イングロリアス・バスターズ」みたいなノリを期待してしまっていました。
笑いの本質は一緒なんですけど、テンションが真逆。

ソ連の絶対的権力者、ヨシフ・スターリンの死とその後釜を狙う側近たちをブラック・ユーモアたっぷりに描いた作品。
ロシア語読みだと「ヨシフ」って言うんですね。
私は英語名で覚えていたので、ずっと「ジョセフ・スターリン」と呼んでいましたよ。

全体的にバカ笑いするようなコメディではなく、登場人物それぞれが絶妙にバカでちょっとした仕草や行動、発言がなんかおかしい。

スターリンの葬式の裏でこういう事態が起こっていたことは間違いないだろうけどそれぞれのキャラクターは実在の人物とはいえ妄想でしょう。
史実を面白おかしく脚色してありました。

ということで、コメディというかどちらかというと伝記映画で、スターリンがこんな風に死んでたら面白いなとか、フルシチョフがこんなザコ扱いされてたら面白いなとか、マレンコフはきっとこんなバカだったんだろうなっていう妄想で作りあげられた感じでした。

この作品を観て感じたことはスティーブ・ブシェミがえらく丸いルックスになったなってことです。
太ったという意味でなくって、昔あんなにとんがったルックスで唯一無二の俳優って感じだったのにあのギョロ目も歳と共に穏やかになったもので…
演じる役柄の幅が広がるという意味では、まだまだこれから彼の出演作品が楽しみです。
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