剣風練兵館の作品情報・感想・評価

「剣風練兵館」に投稿された感想・評価

青二歳

青二歳の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

1944年大映の前身による阪妻の桂小五郎(のちの木戸孝允)。志たかい幕末の剣士。でもなんとも愚直でラブリー。桂小五郎を主人公に、幕末から明治までの変動の中にあって多くの志士を輩出した練兵館(江戸三大道場の一つ)を舞台にしたオトコ映画。美しい目張りメイクではなく汗くさくて、もうとにかく男くさいフィルム。
うーんこの精神論はかっこいいな。「練兵館は技(業?)を教えるだけの道場ではない。神道無念流の精神を剣を通じて若い者の血脈に伝えるためだ、分かったか!」と阪妻に迫りながら、阪妻がハイと答えるとつかさず「嘘をつけ!俺にも分かっとらんのだ。斬るか斬られるか。それが俺の信条だ」って分かんないのかいヾ(¯∇ ̄๑)
若先生歌之介の羅門光太郎が最高。阪妻との飛び跳ねる立会いも見惚れるんだが、父子対決なんてもうたまらん。父斎藤弥九郎役の荒木忍と羅門光太郎の立会いにじっ〜とりと尺をとる。台詞もなく、直前の阪妻との立会いに比べると静の演技から来る緊張感が画面に満ちているようだが、実は両者とてつもない動の演技。
くどいっちゃくどいんですけどね。でも好きだなあ。何故こうもみんな殺陣がうまいんだ。

練兵館ってどんだけデカイのかイメージつかなかったが…浦賀の黒船からすぐあれほど動員できる規模なんだな。まぁ靖国神社の境内にあったそうだし…にしても想定していたより大規模っぽくて道場の範囲に収まらない。門下生を送り出すシーンで皇国弥栄のためとあったが、そうした壮行会で交わされる言葉はよい言霊がふさわしいね。弥栄(いやさか)はいい言葉だなぁ。「戦いは禊なり」か。明治の志士たちを思うとなんとも感心する。

雑巾掛けや品川のお台場を見学に行きたいとおねだりする阪妻がかわいい。ラスト15分〜10分で時代が飛び、大先生は仙人になり、クライマックスにあって桂小五郎は洋装に。これがなんだかもうかっこいい…
これはテラっテラにリマスターしてほしい。最近のサイレント期洋画のリマスターみたいにツルっとキレイに。