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ROKUROKUのhorahukiのレビュー・感想・評価

ROKUROKU(2014年製作の映画)
3.5
生きてる人間をあんたの未練に巻き込むな!

『牙狼』で有名な雨宮慶太が総監督の妖怪ホラー。主人公の身の回りで起こる奇妙なお話をオムニバスで見せ、それが縦軸に影響を与えていく形式。ライトな作風とコミカルな雰囲気、そして妖怪たちのグロテスクな造形に和のテイストという、異質な融合が妙な魅力を放つ異色作。

縦軸
主人公イズミが久々に幼馴染のミカと会って話をしているうちに、過去に封印した記憶が2人に襲い掛かる…的なやつ。イズミの爺が徘徊したり、庭に化け物がいる!とか言って何もない空間と戦ったりしてて、そういうのも全部繋がってくる感じ。

1話目『ぬり壁』
廊下で壁…というか巨大な自分の顔が迫ってくる話。順を追っての消灯、コーヒーの揺れ等々のさり気ない高め方は好き。

2話目『カラ傘』
トイチで利息取る極悪借金取りが一本足のカラ傘お化けとあいあい傘するお話🤣人物に重なる消失とか手堅いし、モノクロに傘の赤とレインコートの黄色が映えてる!

3話目『海坊主』
海坊主のくっさい息で帽子飛ばされてオッサンのハゲがバレるお話。目ん玉が女の顔、歯が全部人間の手という気持ち悪い造形が素晴らしい。流れもうまい!

4話目『箱女』
顔が箱の中に入ってる女に襲われる話。一緒にいた友人が見た目普通なのにブラック上司みたいな物言いで一番怖い…。

5話目『ロクロク』
ホテルで見かけた和服美女の絵を描いてるうちに狂っていく話。

6話目『猫目』
乳母車に乗ったネコを変な人に押し付けられて、捨てても捨てても乳母車ごと戻ってくる話。ネコが可愛い。

7話目『ひとつ目』
貞子みたいに目で怖がらせようとしてくるひとつ目さんと、メガネ落として何も見えない看護師さんのコント。2人ともヨタヨタ歩き回ってるの笑える!

8話目『かまいたち』
珍しい少女型かまいたちが色んなものをスパスパ切って「I'll be back」言って去ってく話。この辺りで爺の奇行がつながっていくのが気持ちイイ!

9話目『ダイダラ』
ホテルの屋上に住んでるデカい女が屋上にやってくる人を吐息で吹っ飛ばす話。ダイダラにしては小さすぎるのが笑う!造形は好き。

『Lorna the Exocist』と『学校の怪談』と『ハウルの動く城』の合わせ技でくるクライマックスも割としっかりしてて面白かった。ポンコツだけど、嫌いになれないやつ!
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