磔刑

オンリー・ザ・ブレイブの磔刑のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「や、山火事ちゃん!防火テント燃やさないで!」

ままままままさかのバッドエンドですかぁああああ?!!!
序盤から露骨に防火テントのフリがあったので、いつ使うのかと思ってたらクライマックスで満を持して登場したので、最後は絶対「防火テントすげぇえぇぇ!!!」展開になると思ってた。だから「防火テント100個買います!!!」ってセリフ心の中で準備してたのに「防火テント?え?そんなんでマジで防げると思ってたの?ホイ!!アツアツ焼死体19個完成ね!!」って勘弁して下さいよ😅そんな気構えなく見てたんでビックリしちゃいましたよ。

マイルズ・テラーが人間として成長する様には泣かされましたね。私としては性悪説を信じてるタイプの人間なので、だからこそ真っ当な人間である為に努力する姿には心打たれました。それと並行して描かれるチームとしての成長や日本には馴染み薄い山火事特殊部隊「ホットショット」の学殖を深める事が出来るので単調ではあるんですけど飽きにくい作りにはなってる。
でも遠くの火の手が瞬く間に近くから差し迫る様子、特にクライマックスの光景なんか見ててもスケールがデカ過ぎて日本人には今ひとつピンと来ない感じはある(走って逃げれねぇの?とか馬鹿っぽい事をついつい思っちゃう)。その延焼工程にドラマも似てて、退屈はさせない程度ではあるが割と間延びしたゆっくりとした作りで最後にバン!と燃やす(盛り上げる)作りは最初から最後まで息つく暇もない程にバンバン燃やす『バックドラフト』とは対極であるかなと感じた。

ネットで題材となった山火事の事を調べると意外にも詳細な日本語の記事が出てきたので、改めて事件の大きさが伺えた。ただ、この題材を映画化するにあたってはこの悲惨な結果が創作のスタートになってるのは間違いないわけで、そうなると益々どう受け取っていいのか困惑する。
よく映画のラストに星条旗がはためく戦争映画のように「いやーあいつら勇敢やったで!英雄や!!これぞ愛国心!!」的なニュアンスで受け取れば良いんやろうけど、そのポジティブシンキングな思考は日本人には無い気がする。彼らがやってきた事が無駄ではないし、必要な職業なのは十分伝わったんだけど…つまり最後は想定外とはいえ、ジョシュ・ブローリンの判断ミスでは?って思えてしまったって事ですよ。
磔刑

磔刑