YYamada

オンリー・ザ・ブレイブのYYamadaのレビュー・感想・評価

4.1
【実話に基づく傑作映画たち】
 ~事実は小説より奇なり

◆ベースとなった史実
〈大規模山林火災〉
 ~ヤーネルヒル火災 / 2013年
・場所: アメリカ/アリゾナ州
・人物: グラナイト・マウンテン・
    ホットショッツ救助隊

〈見処〉
本作のレビュー・チェックは鑑賞後が望ましい
①巨大山火事に立ち向かう20人の男たち
・『オンリー・ザ・ブレイブ』は、2013年6月28日に落雷によって発生したアメリカ史上最悪の山火事「ヤーネルヒル火災」の実話をもとに、2017年に製作された伝記映画。 監督は『トロンレガシー』(2010)、『オブリビオン』(2013)のジョセフ・コジンスキー。
・舞台は、アリゾナ州プレスコッド。堕落した日々を送っていた青年ブレンダン(マイルズ・テラー)は、恋人の妊娠をきっかけに生き方を改めることを決意し、地元自治体の森林消防団に入隊する。地獄のような訓練に耐えながら、ブレンダンはチームを率いるマーシュや仲間たちとの絆を深め、彼らに支えられながら少しずつ成長していく。そんなある日、山を丸ごと飲み込むかのような大規模な山火事が発生するが…(eiga.comより抜粋)。
・本作は、地方自治体の組織として初めて、政府の認定審査を突破した消火のエキスパート「ホットショット」への昇格を果たした「グラナイト・マウンテン・ホットショッツ」の20人の男達による、命懸けの奮闘を描いている。
・また、本作で描かれる「ヤーネルヒル火災」。日本では認知度は低いが、本国ではバイデン副大統領(登場)が某セレモニー(ネタバレ防止)に参列するなど、非常に大きな事件として知られている。

②「等身大」で描く史実ドラマの今
・ハリウッド作品では、実在の人物を英雄視して描かれる傾向にあるが、本作では、ホットショッツのメンバーは「勇敢」であることは間違いないながら、英雄とせず、欠点の多い「等身大」の男達として描かれている。
・特にマイルズ・テラー扮する、犯罪歴のあるブレンダンと、ジョシュ・ブローリンが演じる、家族を省みない隊長のエリックの存在がリアリティーを高めている。

③結び…本作の見処は?
◎: 鑑賞前の想像と異なる結末であったが、エンドロールまで、感情を掻き乱すほどの衝撃と感動の物語。
○: 本作終盤で描かれる史上最悪の森林火災の描写。鑑賞者もその場にいるような緊迫感がある。山火事の消火方法も生々しい。
○:「新入生へのシゴキ」など、ハリウッド映画に有りがちな展開はなく、隊員の生活、ホットショット昇格からラストまで、丁寧に描かれており、好感が持てる。
○: 『アベンジャーズ』サノスのジョシュ・ブローリン、『セッション』のマイルズ・テラー、『トロン』のジェフ・ブリッジス、『ビューティフル・マインド』のジェニファー・コネリー…。このメンバーで駄作な筈がない。
▲: 非常に素晴らしい名作でありながら、日米ともに興行面は惨敗となったのは、プロモーション戦略がダメだったとか考えられない。。
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