このレビューはネタバレを含みます
米国南部の田舎町を舞台に、偏見の中で殺人事件の捜査を協力することになった北部の黒人刑事の姿を描いた刑事ドラマ。
黒人に偏見を持ったロッド・スタイガー演じる署長と、シドニー・ポワチエ演じる黒人刑事のバディ・ムービーといった印象も受ける作品だけど、事件とは関係ないところで描かれる黒人差別の描写によって社会派サスペンスとも取れる内容になってる。
優等生タイプの役をポワチエは実に上手く演じてます。
まあそれがポワチエの持ち味であるんだけどね。
対するスタイガーは主人公に不信感が拭えていない序盤から、どこか次第に理解を示していく終盤までの変化を上手く表現してると思う。
そのあたりのやりとりは見ていて感じるところが多かった。
ただ、ストーリーは序盤こそサスペンス風に始まるけど、差別描写と事件との関連が今ひとつ密でない気がしたし、ラストもちょっとあっさりしていたので、事件に関しては少しばかり拍子抜け。
まあ、娯楽作とはいえ、60年代当時の南部の空気や黒人の境遇を描いた作品なのだから、きっと表現したい事というのは事件そのものよりもその舞台なんでしょうね。